周に手を引かれて、いつも周と友梨の三人で登校していた道を進んでいく。
夏の日差しは雲に遮られていて、むっとした空気だけが居心地悪そうに辺りを漂っていた。
「……周も園芸部に来る?」
「つまんねえだろ」
「野球部には戻らないの?」
「一回抜けたらどうでもよくなってきた」
以前のあたしと同じような言葉を吐く周に、あたしはどこか寂しい気持ちになる。
「ばあさんの容体は良くなってんのか?」
「あんまり良くないみたい…、これからお見舞いに行こうと思ってて」
「俺も暇だし行く。面会はしねえけど」
「なんで? おばあちゃんの育てる花とか好きだって言ってたのに」
「よく思われてねえだろ。友梨乃と朝話したときも思ったけどよ、まさか本当に和解したのか?」
友梨が園芸部に入部したことを教えると、周はあからさまに「コイツ大丈夫なのか?」と心配と呆れを混ぜた表情を浮かべた。