友梨と放課後、千日紅が少し元気がない様子を見て、寿命が近いのかもしれないと話した。

「押し花の作り方、お母さんから聞いたから。私が作っておくよ。一輪だけ持って帰っていい?」
「うん、お願い。塩尾瀬もきっと喜んでくれると思う」

 そこまで話して、あたしは唐突にプレゼントという発想に思い至った。

「あたしも作って塩尾瀬にあげたいかも…」
「じゃあ今週のどっかの放課後、教室で作ろうよ。塩尾瀬くんに一応許可貰ってからのほうがいいと思うし」

 それから、と友梨が門のほうを見た。つられてあたしも視線を向けて驚く。

「多分、一花の誕生日のお祝いを言いに来たんだと思う。お父さんには内緒にしておくから、きょうはもう帰っていいよ」
「あ、ありがとう、友梨」