「あしたは貴方の誕生日でしょ? お母さんどうしてもあしたは忙しくて会いに来れないから、そのお詫びも込みで」
「あ…、忘れてた。じゃあ周のお父さんから貰ったキーホルダーも誕生日プレゼントだったのかな」
「そうだと思うわよ。それとコンテストの応募も忘れないようにね」
「この前ちゃんとしてきたよ」

 誕生日だけでなく写真のコンテストも覚えていたお母さんを見つめた。

「もう泣かないでよ。あしたはおばあちゃんのところに会いに行ってあげてね」
「うんっ、ありがとう…」

 まだ誰の連絡先も入っていないケータイを見つめながら、あしたに思いを馳せる。
 おばあちゃんに百日草のアルバムを見せに行こう。

―そういえば塩尾瀬はケータイ持ってるのかな…?