お昼休みに裏庭に向かうと、友梨もついてきた。
 茉莉も遅れてやってきて、友梨に困惑した視線を向ける。塩尾瀬はまだ来ていなかった。

「どういう風の吹き回し?」
「一花のことならいままで通り接してあげてよ。むかしみたいにね」
「勝手すぎない? うちらを振り回してさ。一花に謝ったの?」

 あたしに視線を向けたので、思わず首を横に振った。呆れたような表情に変わった茉莉は「正気?」と今度は友梨に訊ねる。

「私たちが傍にいなかったら、一花はどんどん先に進んでいくんだもの。写真部のときだってそう。勝手に入部したから、私と周静でどうにかして退部させようと必死だったんだから」
「…この話聞いてもまだふたりが好きなわけ?」
「好きだよ」

 怖いとは思ったけど、嫌いになんてなれなかった。