そのあとに上履きが消えたり、ゴミを下駄箱に入れられることがあった。
でも周がすぐに気付いて先生に報告してくれたようで、あっという間に解決した。
―「これでわかっただろ、一花。お前は何にもできないままでいたほうがいいって」
あのころに周はそう言った。
―「一花は周静がいないと何にもできないのよ」
友梨に言われた言葉がみじめで情けなくて…、写真部のことは早く忘れようと思った。
「…塩尾瀬が職員室前の写真に気付かなかったら、本当にずっと思い出さないままだった」
「じゃあ俺たちはお互いに助け合えたんだな」
どこか安堵した気持ちを込めて塩尾瀬が呟いたので、あたしも同意するように頷いた。
頼んでいたサンドイッチを食べながら他愛ない話に花を咲かせていると、塩尾瀬が腕時計を確認して、窓の向こうを見るようになった。