週に一度しかない部活に向かうと、みんなはもう集まっていて誰が賞を勝ち取るかで盛り上がっていた。

 部員はあたしを含めて五人だけだった。
 あたし以外は同じクラスだったり、先輩同士で話すことが多いようで、いつもあたしはひとりぼっちだ。

 あたしは賞を取るために、お母さんからデジタルカメラを借りてたくさん写真を撮った。
 本当はフィルムカメラが良かったけど、周りのひとが「枚数限られてるのによく撮れるね」「自信があるからだろ」と笑うから、ちょっと使いづらかったのだ。

 部員の中には高級なカメラを持っているひとがいて、そのひとの周りにみんな集まっていた。

 いま思えば、ちょっとした悪ふざけだったんだろう。
 同級生のひとりが「卒業する先輩や他のひとを撮ってあげよう」と言い始めた。

 まだ体育祭や文化祭も残っているし、写真はたくさん撮れるだろう。