塩尾瀬に言われてから持ち歩くようになったメモ帳に「植え替えのあとにシート」と書き留めた。

「ほかにメモすることある?」
「あー、じゃあ今度液体肥料とかのやり方を覚えてもらうから、一応メモに書いておいて」
「液体肥料ね」

 普通の肥料とは何か違うのかなと想像しながらメモに書き足す。塩尾瀬が教えてくれるなら、難しいことも覚えるのは苦じゃない。
 塩尾瀬の顔色はいつもみたいに日焼けして赤くなっていたから、青白かったのも気のせいだと思うことにした。

「一花、お花の調子どう?」
「順調だよ」

 茉莉がよくお昼休みに裏庭に来て話しかけてくれるようになった。
 教室では時々目が合うけど、まだ友梨に対して思うところがあるのか話せないままだ。