楽しいことなんてひとつもない。

 じめじめした日常、ついていけない授業、さみしい青春―。

 言いたいことを言えないあたしは、卑屈なことばかり考えてしまう。

 でももし…叶うなら、なんて淡い夢を見ることがある。

 例えば、あした誰かが傍にいてくれることがわかってて、

 授業で名指しされても自信を持って答えられたり、
 興味を持ったらいろいろ考える前に挑戦してみる。

 大好きなひとに好きだと言われる未来が待っていて、

 近い将来に自分の夢が叶うような、

 そんな希望に満ちた話があったらいいのに。


 そうしたら「何にもできない一花」のことを考えずに済むのに…。