『Akaneiro 』

見えないことが怖いんじゃない
手が届かないから怖いんだ
真っ赤な夕焼けも 君の真っ赤な頬も
そのぬくもりを失うことが怖かった
ただそこにいるだけでいい
ただそばにいるだけでいい
それが言えなかった

手が届かない今だから
手が届けば何もいらない
ひとりぼっちの今だから
ひとりぼっちになりたくない……

見えないことは怖いんじゃない
声が聞こえるから怖くない
真っ暗な闇夜も わたしの真っ暗な心も
そのぬくもりで優しくとかされる
ただそこにいるだけでいい
ただそばにいるだけでいい
たくさん告げよう

手を伸ばして今君に
手が届くのを信じよう
ふたりぼっちでこれからも
ふたりぼっちで心を寄せて……


『光が見えるとき』

光が届かない世界で生きてきた私は 
君に出会って初めて光を知った
山は輝き 空はまぶしく 海は光る 
そんな世界を初めて知った
光が見えるとき 風がそよぐとき 
君といるから素晴らしい世界

光が見えない世界で生きてきた君は 
私に出会って初めて光を知った
鳥は歌い 風はそよぎ 私は奏でる 
そんな世界を一緒に歩こう
光が見えるとき 鳥がさえずるとき 
君がいるから素晴らしい世界


※『Akaneiro』『光が見えるとき』
著・桜井明日香さん『ひかりが見えるとき』より引用