俺は早々に貴族会議を招集することにした。一刻も早くアルカナ川を復活させるため、貴族たちの了解と協力を得る必要があるからだ。
農業はアルカナの人々の空腹を満たすだけではなく、国家収入を増やすためにも極めて重要だ。だがそれだけではない。農業は国力に直結するのだ。なぜなら、食料生産量が大きければ大きいほど、養える人口が多くなるからである。
俺が転生する前の世界では、国力は必ずしも人口と直結していなかった。なぜなら、農産物に限らずさまざまな工業製品やサービスは、人力ではなく「工作機械や電子機器によって作られている」からだ。ある意味で人間がいなくとも製品を生産できる。しかし中世時代はテクノロジーが発達していないため、経済はすべて人間の労働力によって支えられている。だから人口が多ければ多いほど国力は強くなる。
もちろん軍事力もそうだ。兵器が未発達な時代の戦争は人海戦術がモノを言う。人口が多ければ多いほど兵力も大きくなり、軍事力は強くなる。まさにアルカナ川の復活が我が国の命運を左右する。
ということで、すぐに貴族会議召集の書状をすべての貴族に送ったのだが、何しろ時代は中世である。遠方の貴族に書状が届くまでに一週間、出発の準備をして貴族たちがこちらに到着するまでさらに二週間は必要というありさまである。電話が無理でも、せめて伝書鳩が欲しいところだ。
アルカナ川の探索から戻って一週間ほど経った。ルミアナは自分の部屋の準備を完了したようだ。俺は自分に魔力が備わっているかどうかを調べてもらうために、ルミアナの部屋を訪ねることにした。
「お兄様、どちらへ行かれるのですか?」
「ちょっとルミアナの部屋へ行くつもりだ」
キャサリンは、たちまちご機嫌斜めになった。
「あのエルフの女に何の御用ですの。あたくしも付いていきますからね」
「いいよ、魔法について話をするだけだから、何も後ろめたいことはないよ」
「あ・・・ちょっと待って、お洋服を着替えてきますわ。先に行ったらだめですからね」
なんでルミアナの部屋に行くためにわざわざ着替えるんだ。対抗意識なのか。えらい待たされたあげくに、キャサリンがリボンだらけのド派手なピンクの服を着て来た。
ルミアナの部屋のドアを開けると強い薬草のにおいが漂ってきた。部屋にはどこから持ってきたのか、山のような機材が溢れている。最も目立つのはフラスコや試験管、そして蒸留器が並べられた大きな机である。机の上には見慣れない草花や球根、木の実、木の葉、小動物の干物、昆虫などが置かれている。棚にはエルフ文字のラベルが貼られた容器やポーションがずらりと並んでいる。
机の上には大きなガラスの容器が置かれ、親指ほどもある太くて茶色いナメクジが、うじゃうじゃ入っていた。透明な容器の壁面には多数のナメクジが張り付き、ぬめぬめと這いまわっている腹部の様子が良く見える。キャサリンがそれを見つけると絶叫した。
「ナメクジよ、ナメクジ! うわあー、気持ち悪いですわ、何なのこれ。ルミアナはナメクジを飼っているのかしら。どういう趣味をしてるの? まったく理解できませんわ」
ルミアナは澄ました顔で言った。
「あら、お嬢様。そのナメクジは老化した古い皮膚を舐めとったり、皮膚病でカサカサになった皮膚を粘液で覆ってくれる特殊なナメクジです。いわば益虫ですね。キャサリン様も十匹ほど体を這わせてあげれば、お肌が輝く様に美しくなりますよ。美肌効果絶大です」
「わたくしが、もっと美しくなるの? そ、そうかしら・・・」
キャサリンは自分の全身を這いまわるナメクジを想像してみた。しかし、恥ずかしい情景を連想して、すぐさま脳が拒絶反応を示した。
「ううう・・・そういうルミアナは、このナメクジを使って肌を美しくしているのかしら」
「あら、私はナメクジなんか使わなくても、輝くような肌ですから」
キャサリンが真っ赤になった。
「な、なによ! わたくしだって、こんなナメクジなんか使わなくても十分に美しい肌なんですからね! わたくしの肌は、つるつるのすべすべで、光ってるんですからね」
つるつるのすべすべで光ると言えば、おやじのハゲ頭ではないか。あれも美肌の一種なのか。二人の会話にあきれている俺に向かってルミアナが言った。
「私の部屋へようこそいらっしゃいませ、陛下。魔力を試したいのですね」
「そうなんだ、迷惑をかけるね」
「いえ、そんなことはございません。魔力を試すには、あの魔力黒板を使います。魔力黒板は、エルフが魔法の練習をする時に使用する道具です」
そう言うと、ルミアナは壁に掛けられている五十センチ四方の黒板を指さした。一見すると何の変哲もない普通の黒板である。
「そもそも魔法を発動するには、魔法石やポーションなどの魔法素材に思念すなわちイメージを与えるところから始まります。このイメージは特殊な魔法の絵文字と関係があります。魔法の絵文字を見たときに脳裏に生まれるイメージを念じるのです」
「う~ん、なんだか良くわからないな」
「では、実際に簡単な例でお示しします」
ルミアナは一枚の紙を取り出して見せた。そこには普通の丸い円が描かれていた。
「この図形を見たときのイメージをあちらの魔力黒板に向かって念じます」
ルミアナが念じると、魔力黒板に丸い円が白く浮かび上がった。
「これはエルフが最初に魔法を練習するための図形です。単なる円なので実際の魔法に使うものではありません。しかしこれができなければ魔力を持たないため、そもそも魔法は使えないわけです」
キャサリンが言った。
「なによ、そんなのできるわけないじゃないの」
確かにできそうに思えない。もし失敗すればそれまでか。いや、魔力が無くても魔道具を手に入れれば魔法は使える。とにかくダメ元で試してみることにした。俺は目を閉じて円形のイメージを魔力黒板に向かって念じてみた。二人の驚く声が聞こえてきた。
「きゃーなにこれ、お兄様に魔力があるの?」
「すごいわ、魔力が使える人間を見たのは初めてだわ」
目を開けると魔力黒板には丸い円がくっきりと白く浮かび上がっていた。なんと俺には魔法の能力が備わっていたのである。これは転生の特典なのか。俺は喜んだ。
「やった、これで私も自由に魔法が使えるんだな」
「いえ、これは基礎能力の確認にすぎません。実際の魔法を使うにはそれぞれの魔法に応じた複雑な絵文字が必要で、それを記憶して魔法の対象にイメージを飛ばす必要があります。強力な魔法になるほど絵文字は複雑で難しくなります」
「絵文字が描かれた紙を見ながら魔法を発動することはできないのかい?」
「それはできません。まずは絵文字のイメージを正確に記憶する必要があります。魔法を練習するには、まず紙に書かれた絵文字を暗記して、そのイメージを魔力黒板に念じることで確認するのです。黒板に浮き上がった絵文字が完全に正しければ、魔法素材を使った本番でも魔法は発動します」
「なるほど。高価な魔法素材を使って練習しなくても、魔力黒板で十分に練習を積めば魔法が使えるようになるわけだ。ぜひ私も練習してみたい」
「承知いたしました。こちらに初級魔法の絵文字が書かれた本がございますので、まずはこれを練習されると良いでしょう」
「魔法には、人によって得意分野や不得意分野はあるのか?」
「ええ、得意分野であるほど上達は早くなりますし、より強力な魔法が使えます。逆に不得意分野はまったく魔法が使えない場合もあります。これはその人の持つ魔力の種類によると考えられています。しかし補助魔法であれば、得意分野にかかわらず、努力すればすべての魔法が使えるはずです」
二人の会話を聞いていたキャサリンが大声で言った。
「お兄様に魔力があるなんてすごいですわ。よーし、こうなったら『お兄様が魔法を使える』って、町の人みんなに自慢して回るのですわ」
それはまずい。中世と言えば魔女狩りの時代である。「アルカナの国王は魔法使いだ」という噂が立つと、やれ国王は悪魔を崇拝しているだの、処女の生き血を飲んでいるだのと言われかねない。しまいには異端審問とか称しておかしな連中が城に押しかけてきて、ややこしいことになる。
「キャサリン、お願いだからまだ秘密にしておいてくれ。騒ぎになると厄介だ。然るべき時に俺の口から公表するから、それまで絶対にしゃべらないでくれ」
「なあんだ、つまらないですわね。わたくし秘密をみんなに言いふらすのが大好きですの」
うわ、キャサリンは歩くスピーカーだったのか。さもありなん。
「そういえば、子供の頃、お兄様の恥ずかしい秘密をみんなに言いふらすのが楽しみでしたわ。お兄様ったら顔を真赤にして、やめてくれってわたくしに泣きついてくるのですわ。可愛いですわね。今でもわたくしに泣きついてくるかどうか、試してみようかしら」
「おいおい、やめてくれよ」
「大丈夫、それは子供の頃の話ですわ。それにしても、お兄様ばかり特別な能力があるなんてずるいですわ・・・わたくしも特別な能力が欲しいですわ・・・」
冗談ではない。キャサリンが特別な能力なんか持ったら、何をしでかすかわかったものではない。キャサリンがおかしな能力に目覚めないことを祈るばかりだ。
俺はルミアナに言った。
「時々この部屋に来て魔法の練習をしてもいいかな。ここなら魔法の練習をしても誰にも見られる心配がないので」
「ええ、結構ですわ。陛下が魔法を使えるようになれば、私も心強いですから」
こうして俺は魔法の訓練を始めることになった。だが魔法にばかりかまけてはいられない。アルカナにはもっと重要な課題があるからだ。
農業はアルカナの人々の空腹を満たすだけではなく、国家収入を増やすためにも極めて重要だ。だがそれだけではない。農業は国力に直結するのだ。なぜなら、食料生産量が大きければ大きいほど、養える人口が多くなるからである。
俺が転生する前の世界では、国力は必ずしも人口と直結していなかった。なぜなら、農産物に限らずさまざまな工業製品やサービスは、人力ではなく「工作機械や電子機器によって作られている」からだ。ある意味で人間がいなくとも製品を生産できる。しかし中世時代はテクノロジーが発達していないため、経済はすべて人間の労働力によって支えられている。だから人口が多ければ多いほど国力は強くなる。
もちろん軍事力もそうだ。兵器が未発達な時代の戦争は人海戦術がモノを言う。人口が多ければ多いほど兵力も大きくなり、軍事力は強くなる。まさにアルカナ川の復活が我が国の命運を左右する。
ということで、すぐに貴族会議召集の書状をすべての貴族に送ったのだが、何しろ時代は中世である。遠方の貴族に書状が届くまでに一週間、出発の準備をして貴族たちがこちらに到着するまでさらに二週間は必要というありさまである。電話が無理でも、せめて伝書鳩が欲しいところだ。
アルカナ川の探索から戻って一週間ほど経った。ルミアナは自分の部屋の準備を完了したようだ。俺は自分に魔力が備わっているかどうかを調べてもらうために、ルミアナの部屋を訪ねることにした。
「お兄様、どちらへ行かれるのですか?」
「ちょっとルミアナの部屋へ行くつもりだ」
キャサリンは、たちまちご機嫌斜めになった。
「あのエルフの女に何の御用ですの。あたくしも付いていきますからね」
「いいよ、魔法について話をするだけだから、何も後ろめたいことはないよ」
「あ・・・ちょっと待って、お洋服を着替えてきますわ。先に行ったらだめですからね」
なんでルミアナの部屋に行くためにわざわざ着替えるんだ。対抗意識なのか。えらい待たされたあげくに、キャサリンがリボンだらけのド派手なピンクの服を着て来た。
ルミアナの部屋のドアを開けると強い薬草のにおいが漂ってきた。部屋にはどこから持ってきたのか、山のような機材が溢れている。最も目立つのはフラスコや試験管、そして蒸留器が並べられた大きな机である。机の上には見慣れない草花や球根、木の実、木の葉、小動物の干物、昆虫などが置かれている。棚にはエルフ文字のラベルが貼られた容器やポーションがずらりと並んでいる。
机の上には大きなガラスの容器が置かれ、親指ほどもある太くて茶色いナメクジが、うじゃうじゃ入っていた。透明な容器の壁面には多数のナメクジが張り付き、ぬめぬめと這いまわっている腹部の様子が良く見える。キャサリンがそれを見つけると絶叫した。
「ナメクジよ、ナメクジ! うわあー、気持ち悪いですわ、何なのこれ。ルミアナはナメクジを飼っているのかしら。どういう趣味をしてるの? まったく理解できませんわ」
ルミアナは澄ました顔で言った。
「あら、お嬢様。そのナメクジは老化した古い皮膚を舐めとったり、皮膚病でカサカサになった皮膚を粘液で覆ってくれる特殊なナメクジです。いわば益虫ですね。キャサリン様も十匹ほど体を這わせてあげれば、お肌が輝く様に美しくなりますよ。美肌効果絶大です」
「わたくしが、もっと美しくなるの? そ、そうかしら・・・」
キャサリンは自分の全身を這いまわるナメクジを想像してみた。しかし、恥ずかしい情景を連想して、すぐさま脳が拒絶反応を示した。
「ううう・・・そういうルミアナは、このナメクジを使って肌を美しくしているのかしら」
「あら、私はナメクジなんか使わなくても、輝くような肌ですから」
キャサリンが真っ赤になった。
「な、なによ! わたくしだって、こんなナメクジなんか使わなくても十分に美しい肌なんですからね! わたくしの肌は、つるつるのすべすべで、光ってるんですからね」
つるつるのすべすべで光ると言えば、おやじのハゲ頭ではないか。あれも美肌の一種なのか。二人の会話にあきれている俺に向かってルミアナが言った。
「私の部屋へようこそいらっしゃいませ、陛下。魔力を試したいのですね」
「そうなんだ、迷惑をかけるね」
「いえ、そんなことはございません。魔力を試すには、あの魔力黒板を使います。魔力黒板は、エルフが魔法の練習をする時に使用する道具です」
そう言うと、ルミアナは壁に掛けられている五十センチ四方の黒板を指さした。一見すると何の変哲もない普通の黒板である。
「そもそも魔法を発動するには、魔法石やポーションなどの魔法素材に思念すなわちイメージを与えるところから始まります。このイメージは特殊な魔法の絵文字と関係があります。魔法の絵文字を見たときに脳裏に生まれるイメージを念じるのです」
「う~ん、なんだか良くわからないな」
「では、実際に簡単な例でお示しします」
ルミアナは一枚の紙を取り出して見せた。そこには普通の丸い円が描かれていた。
「この図形を見たときのイメージをあちらの魔力黒板に向かって念じます」
ルミアナが念じると、魔力黒板に丸い円が白く浮かび上がった。
「これはエルフが最初に魔法を練習するための図形です。単なる円なので実際の魔法に使うものではありません。しかしこれができなければ魔力を持たないため、そもそも魔法は使えないわけです」
キャサリンが言った。
「なによ、そんなのできるわけないじゃないの」
確かにできそうに思えない。もし失敗すればそれまでか。いや、魔力が無くても魔道具を手に入れれば魔法は使える。とにかくダメ元で試してみることにした。俺は目を閉じて円形のイメージを魔力黒板に向かって念じてみた。二人の驚く声が聞こえてきた。
「きゃーなにこれ、お兄様に魔力があるの?」
「すごいわ、魔力が使える人間を見たのは初めてだわ」
目を開けると魔力黒板には丸い円がくっきりと白く浮かび上がっていた。なんと俺には魔法の能力が備わっていたのである。これは転生の特典なのか。俺は喜んだ。
「やった、これで私も自由に魔法が使えるんだな」
「いえ、これは基礎能力の確認にすぎません。実際の魔法を使うにはそれぞれの魔法に応じた複雑な絵文字が必要で、それを記憶して魔法の対象にイメージを飛ばす必要があります。強力な魔法になるほど絵文字は複雑で難しくなります」
「絵文字が描かれた紙を見ながら魔法を発動することはできないのかい?」
「それはできません。まずは絵文字のイメージを正確に記憶する必要があります。魔法を練習するには、まず紙に書かれた絵文字を暗記して、そのイメージを魔力黒板に念じることで確認するのです。黒板に浮き上がった絵文字が完全に正しければ、魔法素材を使った本番でも魔法は発動します」
「なるほど。高価な魔法素材を使って練習しなくても、魔力黒板で十分に練習を積めば魔法が使えるようになるわけだ。ぜひ私も練習してみたい」
「承知いたしました。こちらに初級魔法の絵文字が書かれた本がございますので、まずはこれを練習されると良いでしょう」
「魔法には、人によって得意分野や不得意分野はあるのか?」
「ええ、得意分野であるほど上達は早くなりますし、より強力な魔法が使えます。逆に不得意分野はまったく魔法が使えない場合もあります。これはその人の持つ魔力の種類によると考えられています。しかし補助魔法であれば、得意分野にかかわらず、努力すればすべての魔法が使えるはずです」
二人の会話を聞いていたキャサリンが大声で言った。
「お兄様に魔力があるなんてすごいですわ。よーし、こうなったら『お兄様が魔法を使える』って、町の人みんなに自慢して回るのですわ」
それはまずい。中世と言えば魔女狩りの時代である。「アルカナの国王は魔法使いだ」という噂が立つと、やれ国王は悪魔を崇拝しているだの、処女の生き血を飲んでいるだのと言われかねない。しまいには異端審問とか称しておかしな連中が城に押しかけてきて、ややこしいことになる。
「キャサリン、お願いだからまだ秘密にしておいてくれ。騒ぎになると厄介だ。然るべき時に俺の口から公表するから、それまで絶対にしゃべらないでくれ」
「なあんだ、つまらないですわね。わたくし秘密をみんなに言いふらすのが大好きですの」
うわ、キャサリンは歩くスピーカーだったのか。さもありなん。
「そういえば、子供の頃、お兄様の恥ずかしい秘密をみんなに言いふらすのが楽しみでしたわ。お兄様ったら顔を真赤にして、やめてくれってわたくしに泣きついてくるのですわ。可愛いですわね。今でもわたくしに泣きついてくるかどうか、試してみようかしら」
「おいおい、やめてくれよ」
「大丈夫、それは子供の頃の話ですわ。それにしても、お兄様ばかり特別な能力があるなんてずるいですわ・・・わたくしも特別な能力が欲しいですわ・・・」
冗談ではない。キャサリンが特別な能力なんか持ったら、何をしでかすかわかったものではない。キャサリンがおかしな能力に目覚めないことを祈るばかりだ。
俺はルミアナに言った。
「時々この部屋に来て魔法の練習をしてもいいかな。ここなら魔法の練習をしても誰にも見られる心配がないので」
「ええ、結構ですわ。陛下が魔法を使えるようになれば、私も心強いですから」
こうして俺は魔法の訓練を始めることになった。だが魔法にばかりかまけてはいられない。アルカナにはもっと重要な課題があるからだ。