俺たちは騎士団の護衛の元、
ミスタリス王国まで行けることになった。
「ありがとうございます、護衛までして頂いて」
「あ…ありがとう、ござ…ございます」
「言いさ…俺の名はハンベルだ。コイツらの…リーダーだ」
「僕はアスフィ・シーネットです。こっちはレイラ・セレスティアです。この子人見知りなので気にしないでください」
「……」
騎士団長ハンベルか。なかなか気が利く良い奴だな。
さすがは王国騎士団だ。
「騎士団の皆さんはこんな所でなにしていたんですか?」
「ん?あぁ~、ちょっと人探しをしていてな」
「人探しですか?実は僕達もなんです」
「そうか、奇遇だな。まぁ俺たちはもう見つけたんだがな」
「そうなんですか!羨ましいです…僕達はこれからでして…」
そんな話をしながら騎士団長と歩いていた。
レイラは相変わらず人見知りを発動しなにも喋らない。
喋らないどころか顔が険しい。
そんなに大人数は苦手なのか。
たしかに、この騎士団は団長ハンベルを含め6人居る。
これ程の人数はレイラは初めてで、緊張しているのだろう。
…とか考えているとようやくレイラが口を開いた。
「……ねぇ、おじさん達。これほんとにミスタリス王国に向かってるの?」
「……嬢ちゃん。勘がいいねぇ」
「アスフィ!!こいつら騎士団なんかじゃ-」
「-動くな。その剣を抜いたらお前の手足を切り落とす」
なんだなんだ?こいつら騎士団じゃないのか!?
ハンベルはレイラの口を後ろから手で塞ぎ、
剣を首元に当てている。
「もう少し人目のつかない離れたところが良かったんだが……仕方ないここらでいいだろう。ここら辺も人はいねぇはずだ」
「おい!レイラを離せ!!」
「ガキは黙ってろ!てめぇに用はねぇんだ……おいお前らそのガキ殺しとけ。俺はこの亜人のガキをたっぷり楽しんでるからよ。俺が楽しんだ後はお前らにも楽しませてやる」
「くっそぉ!騙したなぁ!!ゲスがァァァァァァー!!」
「ガキ?お前の相手は俺たちだ。兄貴の後は俺たちだ…ヒッヒッ!久しぶりの亜人だぜぇ。しかも獣人の娘ときた!楽しみだなぁ!」
こいつらは騎士団ではなかった。
騎士団のフリをした盗賊だった。
鎧が汚れていたのは、
どこかの騎士を襲撃して追い剥ぎでもしたのだろう。
盗賊ならしそうなことだ。
「動くなよぉ~?動いたら手足切り落とすからよ?…にしてもお前なかなか発育がいいなぁ?これは楽しめそうだぜぇ」
レイラがハンベルに抵抗できず衣服を脱がされかけていた。
助けに入りたいが、俺の前には5人の下っ端がいた。
「おまえーーー!!!レイラに手を出したらどうなるか分かってんだろうなぁ!!?殺すぞぉぉぉぉぉ」
俺は人生でここまで怒ったことは無い。
怒りの感情がむき出しになった俺は、
この時のことをあまり覚えていない。
「『ヒール』」
「は?オイオイ俺たちを回復させてくれんのか?
ハッハッハ!!!ありがとよガキ…うっ…ガハッ」
「『ヒール』」
「おいガキぃぃぃぃぃぃテメェ俺に何をしたぁぁぁぁぁ」
「『ヒール』」「『ヒール』」 「『ヒール』」 「『ヒール』」
「ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール…」
どんどん口や目から血を吹き出し倒れていく鎧の男たち。
本来対象者の身を淡い光が包み込む『ヒール』だが、
この時の『ヒール』はドス黒いものだったらしい。
これは後に聞いた話だ。
「アス…フィ?」
「な!?お前らぁ!どうした!?ガキ1人に何してんだよぉ!!…ガキテメェの仕業か。どうやらおめェから先に殺さなきゃこの後、楽しめそうにねぇみてぇだな~?」
「アスフィ逃げてっ!!こいつ強いよ!!!」
ザシュ-
「へッ!!ガキが調子に乗るからだ!」
「アスフィィィィィィィィ!!!!」
「『ヒール』」
「な!?確かに腕を切り落とした筈だ!?なんでだ!?たかが『ヒール』みてぇな初級回復魔法で癒せる傷じゃねぇ!!」
「『ヒール』」
「グハッ!!て、てめぇ…ただのガキじゃねぇ…バケモンだ…」
ハンベルは口から血を吐きながらも未だたっている。
「へっ!だがこう見えて俺も剣術の『祝福』を持つ者…ガキなんかにやられてたまるかっ!俺はそいつら雑魚とは違ぇ!『 身体強化』!!死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
ドサッ
アスフィの元々1つだった、2つの体は地面に落ちた。
「どうだ!?真っ二つにしてやった!ギャッハハハハ!これでもう終いだ……さてかなり疲れたんだ。俺を癒してくれよお嬢ちゃん?」
「アスフィィィィィィィィ………そんな……」
「『ハイヒール』」
「な、に?」
『 死を呼ぶ回復魔法』
ハンベルは倒れた。
力なく、血を吐くことも無く。
ただ、意識を失ったかのようにその場に倒れ死んだ。
そして俺もまた力なく倒れた。
ミスタリス王国まで行けることになった。
「ありがとうございます、護衛までして頂いて」
「あ…ありがとう、ござ…ございます」
「言いさ…俺の名はハンベルだ。コイツらの…リーダーだ」
「僕はアスフィ・シーネットです。こっちはレイラ・セレスティアです。この子人見知りなので気にしないでください」
「……」
騎士団長ハンベルか。なかなか気が利く良い奴だな。
さすがは王国騎士団だ。
「騎士団の皆さんはこんな所でなにしていたんですか?」
「ん?あぁ~、ちょっと人探しをしていてな」
「人探しですか?実は僕達もなんです」
「そうか、奇遇だな。まぁ俺たちはもう見つけたんだがな」
「そうなんですか!羨ましいです…僕達はこれからでして…」
そんな話をしながら騎士団長と歩いていた。
レイラは相変わらず人見知りを発動しなにも喋らない。
喋らないどころか顔が険しい。
そんなに大人数は苦手なのか。
たしかに、この騎士団は団長ハンベルを含め6人居る。
これ程の人数はレイラは初めてで、緊張しているのだろう。
…とか考えているとようやくレイラが口を開いた。
「……ねぇ、おじさん達。これほんとにミスタリス王国に向かってるの?」
「……嬢ちゃん。勘がいいねぇ」
「アスフィ!!こいつら騎士団なんかじゃ-」
「-動くな。その剣を抜いたらお前の手足を切り落とす」
なんだなんだ?こいつら騎士団じゃないのか!?
ハンベルはレイラの口を後ろから手で塞ぎ、
剣を首元に当てている。
「もう少し人目のつかない離れたところが良かったんだが……仕方ないここらでいいだろう。ここら辺も人はいねぇはずだ」
「おい!レイラを離せ!!」
「ガキは黙ってろ!てめぇに用はねぇんだ……おいお前らそのガキ殺しとけ。俺はこの亜人のガキをたっぷり楽しんでるからよ。俺が楽しんだ後はお前らにも楽しませてやる」
「くっそぉ!騙したなぁ!!ゲスがァァァァァァー!!」
「ガキ?お前の相手は俺たちだ。兄貴の後は俺たちだ…ヒッヒッ!久しぶりの亜人だぜぇ。しかも獣人の娘ときた!楽しみだなぁ!」
こいつらは騎士団ではなかった。
騎士団のフリをした盗賊だった。
鎧が汚れていたのは、
どこかの騎士を襲撃して追い剥ぎでもしたのだろう。
盗賊ならしそうなことだ。
「動くなよぉ~?動いたら手足切り落とすからよ?…にしてもお前なかなか発育がいいなぁ?これは楽しめそうだぜぇ」
レイラがハンベルに抵抗できず衣服を脱がされかけていた。
助けに入りたいが、俺の前には5人の下っ端がいた。
「おまえーーー!!!レイラに手を出したらどうなるか分かってんだろうなぁ!!?殺すぞぉぉぉぉぉ」
俺は人生でここまで怒ったことは無い。
怒りの感情がむき出しになった俺は、
この時のことをあまり覚えていない。
「『ヒール』」
「は?オイオイ俺たちを回復させてくれんのか?
ハッハッハ!!!ありがとよガキ…うっ…ガハッ」
「『ヒール』」
「おいガキぃぃぃぃぃぃテメェ俺に何をしたぁぁぁぁぁ」
「『ヒール』」「『ヒール』」 「『ヒール』」 「『ヒール』」
「ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール、ヒール…」
どんどん口や目から血を吹き出し倒れていく鎧の男たち。
本来対象者の身を淡い光が包み込む『ヒール』だが、
この時の『ヒール』はドス黒いものだったらしい。
これは後に聞いた話だ。
「アス…フィ?」
「な!?お前らぁ!どうした!?ガキ1人に何してんだよぉ!!…ガキテメェの仕業か。どうやらおめェから先に殺さなきゃこの後、楽しめそうにねぇみてぇだな~?」
「アスフィ逃げてっ!!こいつ強いよ!!!」
ザシュ-
「へッ!!ガキが調子に乗るからだ!」
「アスフィィィィィィィィ!!!!」
「『ヒール』」
「な!?確かに腕を切り落とした筈だ!?なんでだ!?たかが『ヒール』みてぇな初級回復魔法で癒せる傷じゃねぇ!!」
「『ヒール』」
「グハッ!!て、てめぇ…ただのガキじゃねぇ…バケモンだ…」
ハンベルは口から血を吐きながらも未だたっている。
「へっ!だがこう見えて俺も剣術の『祝福』を持つ者…ガキなんかにやられてたまるかっ!俺はそいつら雑魚とは違ぇ!『 身体強化』!!死ねぇぇぇぇぇぇ!!」
ドサッ
アスフィの元々1つだった、2つの体は地面に落ちた。
「どうだ!?真っ二つにしてやった!ギャッハハハハ!これでもう終いだ……さてかなり疲れたんだ。俺を癒してくれよお嬢ちゃん?」
「アスフィィィィィィィィ………そんな……」
「『ハイヒール』」
「な、に?」
『 死を呼ぶ回復魔法』
ハンベルは倒れた。
力なく、血を吐くことも無く。
ただ、意識を失ったかのようにその場に倒れ死んだ。
そして俺もまた力なく倒れた。