「湊せんっぱーーーーい!!」

蒸し暑い夏、その暑さに負けない声で今日も私は叫んだ。

湊先輩の元へと思いっきり走り、湊先輩に突撃する。

「いやーー今日も暑いですね!湊先輩は今日もぼっちですかあ?」

ヘラヘラと笑いながらそう伝えると、湊先輩はイラッとしたように私を見つめる。

「・・・お前まじで何がしたいの?」

私を睨みつけながらそう低い声を出す先輩は、今日もかっこいい。

「湊先輩と喋りたいんです!ほら!今日も暑いですねー!」

「お前が一番暑苦しい」

今度は舌打ちを鳴らしてそういい、校門の方へと一人で歩いていく。

「あ、ちょっと待ってください!一緒に帰りましょー!」

振り返ることもない。無視。

・・・・湊先輩は今日もツンデレだなあ。

ま、そういうところが好きなんだけどお

一人で帰ろうとする先輩に追いつくと、また喋りかける。

うざそうにしながらも返事を返してくれる湊先輩は、やっぱり優しい。

私は知ってる。

「湊せんぱあい、そのツンツンな感じ大好きでーす!付き合ってくださーい!」

「無理」

うん、そんなとこも好き。

「じゃあ結婚してくださあーい!」

「お前は俺のどこが好きなんだ・・・?」

「全部?」

「・・・・」

・・・・可愛い。
恥ずかしくて黙ってる。すき。

「でもお前は先輩への敬意が感じられないから無理」

「え!?感じまくってます!」