「やはり、空を飛ぶのは疲れるのか?」
「そこそこね、常に早歩きしているぐらいの感覚よ」
「そんなもんなのか」
そんな会話をしていると、マルクエンが声を掛けられた。
「そこのお兄さん!! 美味しいパスタとデザートのお店はいかがですか?」
声の主は猫耳の小柄な亜人だ。
「えっ、私ですか?」
「そうです、お兄さんと彼女さんですにゃ!!」
ラミッタは自分を彼女扱いされたことに赤面し、プンプンと怒り出した。
「私がこんな奴の彼女!? ないない、ありえないから」
「あら、そうだったのですか? これは失礼。仲が良さそうなのでてっきり」
「はぁー? どこをどう見たら仲良く見えるのよ!!」
「まぁまぁ、ウチのお店どうですか? 美味しいパスタとデザートのお店です!」
パスタと言われマルクエンは、ふむと考える。
「良いんじゃないのか? ちょうどパスタにしようかと話していたんです」
「それは奇遇! なんとも奇遇!! 是非ぜひ当店へ!」
彼女と勘違いされたラミッタはむくれて渋々だったが、二人は店に入ることにした。
ファンシーでにぎやかな店内を見て、マルクエンは防具をギルドに預けておいて良かったなと思う。
「二名様ご案内ですにゃー!!」
席に通され、メニューを見る。様々な種類のパスタがあり、マルクエンは悩む。
「うーん。どれにしようか」
「早く決めなさいよ」
「ラミッタはもう決まっているのか?」
「私はイカスミパスタがあるから、これにするわ」
イカスミと聞いてマルクエンは驚く。
「イカ? イカって触手がもじゃもじゃのあの?」
「それしかないでしょう」
ラミッタは呆れ顔で返す。
「確かイカのスミってインクに使うんじゃ無かったか? 食べられるのか!?」
「食べられるわよ……」
そうなのかと不思議そうな顔をするマルクエン。
「食べてみたら?」
「い、いや、私はカニのクリームパスタにする。大盛りも出来るみたいだな」
「そう。デザートはどうするの?」
そう言えばデザートもオススメだったなと思い。メニュー裏面のデザートを見る。
イチオシは写し絵がでかでかと載っている『いちごパフェ』だ。
「私はこのパフェを頼む」
「私もデザートはそれでいいわ」
早速、マルクエンは近くに居た店員に注文をし、一息つく。
「お客様、失礼します」
ウェイトレスが紅茶を持ってきたので、マルクエンはキョトンとする。
「あの、紅茶は注文しておりませんが……」
「こちら、ランチパスタのサービスでございます」
「おぉ、ありがたい」
紅茶に砂糖まで付いてきた。マルクエンは砂糖をたっぷり入れて口を付ける。
「おこちゃまね」
ラミッタはそのまま紅茶を飲んでいた。
「お待たせ致しましたにゃー」
今度はマルクエンを外で掴まえた猫耳のウェイトレスが料理を持ってくる。
「カニのクリームパスタ大盛りとイカスミパスタですにゃ! 冷めない内にどうぞですにゃ!」
「あぁ、ありがとう」
目の前で美味しそうな湯気を放つ大盛りのパスタを見て、マルクエンは顔がほころぶ。
「では、イタダキマス!!」
「はいはい」
大きくカットされたワタリガニを避けて、マルクエンはパスタをフォークに巻き付け食べた。
「む、美味いな!」
ラミッタも同じ様にイカスミパスタを食べる。
「あら、なかなか美味しいじゃない」
美味しいパスタを自称するだけはあり、味は良かった。
夢中になり食べるマルクエン。ラミッタも口元を黒くしてパスタを食べていた。
「宿敵、これちょっと食べてみない?」
ふと思いつき、意地悪そうな笑みを浮かべてラミッタが言う。
「い、いや、イカのスミだろう?」
「好き嫌いするんじゃないって言ってるでしょ?」
ラミッタはフォークにぐるぐる巻き付けたパスタをマルクエンに差し出した。
「う、うむ、分かった」
思い切ってパクリと食べてみるマルクエン。
「どうかしら?」
「む、美味いな!!」
「そうでしょう?」
ラミッタはニコリと笑い、マルクエンは何故だか少しドキドキした。
「あー、お客様。食べさせ合いっこまでして本当に付き合っていないのかにゃ?」
偶然近くに居た猫耳ウェイトレスに言われてラミッタは赤面する。
「なっ、違う!! 宿敵がイカスミを怖がっているから面白くて!!」
「まぁ、ごゆっくりどうぞにゃー」
猫耳ウェイトレスはニヤニヤ笑いながら去っていった。
そして、ラミッタは思い出す。これ、いつかたこ焼きを食べさせた時と同じ展開だと。
またフォークで間接キスを決めてしまったなと。
「あ、あーもうド変態卑猥野郎!!!」
「へ、変態要素あったか!?」
ラミッタは意識しないように食事を続けた。
パスタを食べ終えると、デザートが運ばれてくる。
「お待たせ致しました。いちごパフェでございます」
運ばれた大きなパフェを見て、マルクエンはテンションが上がっていた。
「おぉ、美味しそうだ!!」
「まるで子供ね」
ラミッタも内心喜んでいたが、表には出さないようにしている。
「うむ、美味い!!!」
マルクエンは幸せそうな顔をしながらパフェをつついて食べていた。
戦争で戦っている時は、コイツのこんな顔見ることになるなんて、夢にも思わなかったなとラミッタは考えている。
「どうした、食べないのか?」
「食べるわよ、私はアンタと違って単純じゃないの!!」
「そこそこね、常に早歩きしているぐらいの感覚よ」
「そんなもんなのか」
そんな会話をしていると、マルクエンが声を掛けられた。
「そこのお兄さん!! 美味しいパスタとデザートのお店はいかがですか?」
声の主は猫耳の小柄な亜人だ。
「えっ、私ですか?」
「そうです、お兄さんと彼女さんですにゃ!!」
ラミッタは自分を彼女扱いされたことに赤面し、プンプンと怒り出した。
「私がこんな奴の彼女!? ないない、ありえないから」
「あら、そうだったのですか? これは失礼。仲が良さそうなのでてっきり」
「はぁー? どこをどう見たら仲良く見えるのよ!!」
「まぁまぁ、ウチのお店どうですか? 美味しいパスタとデザートのお店です!」
パスタと言われマルクエンは、ふむと考える。
「良いんじゃないのか? ちょうどパスタにしようかと話していたんです」
「それは奇遇! なんとも奇遇!! 是非ぜひ当店へ!」
彼女と勘違いされたラミッタはむくれて渋々だったが、二人は店に入ることにした。
ファンシーでにぎやかな店内を見て、マルクエンは防具をギルドに預けておいて良かったなと思う。
「二名様ご案内ですにゃー!!」
席に通され、メニューを見る。様々な種類のパスタがあり、マルクエンは悩む。
「うーん。どれにしようか」
「早く決めなさいよ」
「ラミッタはもう決まっているのか?」
「私はイカスミパスタがあるから、これにするわ」
イカスミと聞いてマルクエンは驚く。
「イカ? イカって触手がもじゃもじゃのあの?」
「それしかないでしょう」
ラミッタは呆れ顔で返す。
「確かイカのスミってインクに使うんじゃ無かったか? 食べられるのか!?」
「食べられるわよ……」
そうなのかと不思議そうな顔をするマルクエン。
「食べてみたら?」
「い、いや、私はカニのクリームパスタにする。大盛りも出来るみたいだな」
「そう。デザートはどうするの?」
そう言えばデザートもオススメだったなと思い。メニュー裏面のデザートを見る。
イチオシは写し絵がでかでかと載っている『いちごパフェ』だ。
「私はこのパフェを頼む」
「私もデザートはそれでいいわ」
早速、マルクエンは近くに居た店員に注文をし、一息つく。
「お客様、失礼します」
ウェイトレスが紅茶を持ってきたので、マルクエンはキョトンとする。
「あの、紅茶は注文しておりませんが……」
「こちら、ランチパスタのサービスでございます」
「おぉ、ありがたい」
紅茶に砂糖まで付いてきた。マルクエンは砂糖をたっぷり入れて口を付ける。
「おこちゃまね」
ラミッタはそのまま紅茶を飲んでいた。
「お待たせ致しましたにゃー」
今度はマルクエンを外で掴まえた猫耳のウェイトレスが料理を持ってくる。
「カニのクリームパスタ大盛りとイカスミパスタですにゃ! 冷めない内にどうぞですにゃ!」
「あぁ、ありがとう」
目の前で美味しそうな湯気を放つ大盛りのパスタを見て、マルクエンは顔がほころぶ。
「では、イタダキマス!!」
「はいはい」
大きくカットされたワタリガニを避けて、マルクエンはパスタをフォークに巻き付け食べた。
「む、美味いな!」
ラミッタも同じ様にイカスミパスタを食べる。
「あら、なかなか美味しいじゃない」
美味しいパスタを自称するだけはあり、味は良かった。
夢中になり食べるマルクエン。ラミッタも口元を黒くしてパスタを食べていた。
「宿敵、これちょっと食べてみない?」
ふと思いつき、意地悪そうな笑みを浮かべてラミッタが言う。
「い、いや、イカのスミだろう?」
「好き嫌いするんじゃないって言ってるでしょ?」
ラミッタはフォークにぐるぐる巻き付けたパスタをマルクエンに差し出した。
「う、うむ、分かった」
思い切ってパクリと食べてみるマルクエン。
「どうかしら?」
「む、美味いな!!」
「そうでしょう?」
ラミッタはニコリと笑い、マルクエンは何故だか少しドキドキした。
「あー、お客様。食べさせ合いっこまでして本当に付き合っていないのかにゃ?」
偶然近くに居た猫耳ウェイトレスに言われてラミッタは赤面する。
「なっ、違う!! 宿敵がイカスミを怖がっているから面白くて!!」
「まぁ、ごゆっくりどうぞにゃー」
猫耳ウェイトレスはニヤニヤ笑いながら去っていった。
そして、ラミッタは思い出す。これ、いつかたこ焼きを食べさせた時と同じ展開だと。
またフォークで間接キスを決めてしまったなと。
「あ、あーもうド変態卑猥野郎!!!」
「へ、変態要素あったか!?」
ラミッタは意識しないように食事を続けた。
パスタを食べ終えると、デザートが運ばれてくる。
「お待たせ致しました。いちごパフェでございます」
運ばれた大きなパフェを見て、マルクエンはテンションが上がっていた。
「おぉ、美味しそうだ!!」
「まるで子供ね」
ラミッタも内心喜んでいたが、表には出さないようにしている。
「うむ、美味い!!!」
マルクエンは幸せそうな顔をしながらパフェをつついて食べていた。
戦争で戦っている時は、コイツのこんな顔見ることになるなんて、夢にも思わなかったなとラミッタは考えている。
「どうした、食べないのか?」
「食べるわよ、私はアンタと違って単純じゃないの!!」


