"ランドセルと写真撮ろうよ!"



六年間一緒に頑張ってくれたランドセルと卒業式の前の日に写真を撮ったりもした。


卒業式の後、俺の家族とあいつの家族でパーティーもした。


その時のクラッカーの飾りが口の中に入って大笑いして、笑い疲れて二人でリビングで寝ちゃったんだ。



"あ! 同じクラスだ! やったね!"



中学に入学すると、クラスが同じで喜ぶあいつが眩しく見えた。


それが少し恥ずかしくて、でも悪い気はしなかった。



"わたし、知らない先輩に告白されたの。どうやって断ればいいかな……"



それを聞いて初めて嫉妬心が芽生えた。そして、あいつが俺の隣にいてくれるのは当たり前じゃないんだと気付き、初めて自分の気持ちを自覚した。



"クラスはなれちゃったね。今年も一緒のクラスがよかったなあ"



中学三年のとき、クラスが離れたときのなんとも言えず悲しそうなあいつの顔が、しばらく目に焼き付いて離れなかった。


そんな顔を見たくなくて、放課後や休日もよく一緒にいた気がする。



"修学旅行の自由時間、紫苑と大雅と透くんとわたしの四人で回らない?"



中三の春にそう約束していたけれど、事故の後だったから結局俺は透と他のクラスメイトと適当に回ったんだ。


正直楽しくなくて、でもなんで楽しくなかったのかが全然わからなかった。


行きたかったな、芽衣と一緒に。



"ねぇねぇ、大雅はどこの高校受験するの?"



高校はここにするって、確かだいぶ前から言ってたな。もしかしたら、それで同じ高校にしたのかな。



"大雅! 今度の花火大会、一緒に行こうよ!"



俺が誘おうと思ってたのに先を越されて。少し悔しかった。


──そして、あの花火大会で全てが終わり、全てが始まった。