家に帰ってから、龍雅が母さんを呼んでくるからと部屋で待っているように言われた。


ドクドクと高鳴る心臓。


制服から部屋着に着替えて、意味も無くベッドの周りを歩く。


どうやら話が長引いているらしく、まだ二人から呼ばれる気配はなかった。


気持ちを落ち着かそうと、本棚にある漫画を見てみる。


しばらく見ていなかったけど、こうやって眺めていると懐かしいものが多い。


好きだったバトルものの漫画を手に取り、中を開こうとする。


ふと、その時漫画が入っていた隙間の向こうに何かが見えた。



「……ん?」



他の漫画も一旦取り出して、その奥をもう一度見てみる。



「……アルバム?」



それは、中学の卒業アルバムだった。


そういえば、中学を卒業するときに受け取ったけど中身を大して見ないまま本棚の奥にしまい込んだんだっけ。


何故かあのとき、直感的にこれを見てはいけないと思ったんだ。


そっと手を伸ばし、卒業アルバムを手に取る。


少しだけほこりの被ったそれを手で払い、深呼吸してから開いた。


最初のページは、なんてことない校歌の紹介や学校の紹介。


次に校長先生の紹介や部活動、委員会の写真。


そしてその次のページから、各クラスの個人写真が並んでいた。