強烈な痛みと衝撃で、俺はそのまま公園に背中から倒れ込んだ。
「っ……」
いきなり殴んなよ。その言葉は、喉まで出かかったけど声になることはなかった。
頬を抑えながら見上げると、目をつり上げて今にも再び殴りかかりそうな雰囲気で俺を見下ろす龍雅がいたからだ。
「今、自分が何言ってるかわかってんのか……?」
拳を握りしめて、必死に冷静になろうと頑張っている龍雅を見たら、俺は頷くことしかできない。
「……わかってるよ。わかった上で、聞いてる」
俺が二年前のことを聞けば、龍雅が怒るだろうということもわかっていた。
「わかってんならなんで今になってそんなこと聞くんだよ!?」
言われて、深呼吸をしてからさっきのあの女とのやりとりを説明した。
そのあとからずっと胸騒ぎがしていること。このままじゃダメだと言われている気がすること。向き合わなきゃ一生後悔するような気がすること。
龍雅の目を見て言うと、突然龍雅は何か行き場のない気持ちを吐き出すように
「うぅああぁああぁ!」
と声を荒げた。
息切れをしながら何度もそう叫んで、そして俺の方を向く。