「……おい、とうとう朝だけじゃなくてこんな時間にもストーカーするようになったか」
俺の声を聞いて肩を跳ねさせたあいつは、
「……大雅……?」
と弱々しい声で俺に呼びかける。
「馴れ馴れしく名前で呼ぶな」
「ご、ごめん。あの……」
「んだよ」
「今日で最後にするから、少し私に時間をくれないかな」
「……あ?」
「もう朝も会いにくるのやめるから。もう大雅の嫌がることしないから。だからお願い。十分……いや、五分だけでいいから! ……お願いします。わたしに、時間をください」
その必死な顔に、なぜか"帰れ"という言葉が言えなかった。