翌朝も、その次の日も。
わたしはいつもと変わらず、お隣の家の前で大雅が出てくるのを待っていた。
けれど、必ず大雅が家から出てくるタイミングで
「大雅くん! おはよう! 今日も来ちゃった! 一緒に行っていい?」
とどこからか奈子ちゃんが現れるのだ。
「ね、今日もいるの? あの子。毎日あそこにいるけど、あの子大雅くんの知り合い?」
「……知らねぇよ、あんなやつ」
「でも、知り合いでもないのに大雅くんの家の前で待ってるとか怖くない?」
「放っとけ」
大雅と奈子ちゃんの親しげなやり取りも、当たり前のように奈子ちゃんが大雅の隣に立つのも。
……あぁ、今日も心が痛い。
苦しくてたまらない。
今までは朝の時間だけが、大雅と正面から向き合える時間だった。
だけど、もう無理なのかもしれない。