家まで送ってもらって、お母さんに事情を説明して再びベッドの上で横になる。


これ以上心配させたくなくて紫苑にはああ言ったものの、正直に言えば吐き気はまだおさまっていなかった。


何か食べればそのまま戻してしまいそうなくらい、胃がキリキリしている。


今日はもうこのまま眠ってしまいたい。


だけど、頭の中では大雅に彼女ができたかもしれないという言葉がぐるぐると回る。


それを思い出しては大雅が見知らぬ女の子と一緒に歩いているところを想像してしまい、またトイレに駆け込んだ。


その日は夜中になってもなかなか眠れなかった。


紫苑から"何も考えずに今日はゆっくり寝てね"とメッセージが送られてきていたけれど、目を閉じるといろいろなことを考えてしまいとても眠れそうにない。


結局その翌日は学校に行けなくて休んでしまった。


わたしが家で寝ている間、紫苑が学校で透くんに聞いてくれたらしい。けれど、透くんも詳しいことは何も知らなかったと言っていた。


でも最近噂の人物が大雅の側にいることは多いらしい。それが付き合ってるからなのかそうじゃないのか、大雅に聞いても面倒くさいとしか言われないらしく、真相がわからないという。


一度断ってるらしく、もしかしたらその子からの一方的な想いなのかもしれないと言っていた。


だけど、それから数日しても学校ではその噂でもちきりで。


このまま休んでいても仕方がない、と次の日からいつも通り大雅に挨拶しようと家の前で待っていたけれど、ちゃんと笑顔を作れていたかどうかは全く自信が無かった。