空いている席を見つけて腰掛けて、カバンから筆記用具とついさっきもらってきたプリントを出す。


教科書も隣に広げ、勉強を開始した。


わたしもイヤホンを持ってくればよかったかなと思ったけれど、多分そうすると音楽に集中してしまうからダメだと思い直す。


最近早退や保健室に行くことが増えてしまったため、ちゃんと勉強してテストで点を取らないと補習になってしまう。


それは避けたいから、今は集中しなきゃ。


そう意気込んだものの、思いの外プリントは基本問題ばかりで簡単だったため、教科書で確認しながらすぐに終えることができた。


それに安心しつつ図書室の時計に目をやると、時刻は午後五時を少し過ぎたところ。


プリントも終わったし、そろそろ帰ろうか。そう思ってもう一度窓の向こうを見ると、滝のような雨が降っていた。


……少し落ち着くまで待ってようかな。


今外に出たら傘を差してもびしょ濡れになってしまいそうだ。


教科書をしまい、自習スペースを離れて普通の読書用のテーブルに移動してカバンを置き、参考書コーナーに足を運ぶ。


進路は決まっていないからここという大学はないけれど、赤本がたくさん置いてあっていくつか有名な大学のものを手に取りパラパラとめくってみた。