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「紫苑は進学だよね」


「うん。医療系の大学に行こうと思ってるよ」


「紫苑昔から成績いいもんね。絶対いけるよ」


「ありがと。芽衣と大雅見てたら、看護師になりたいなって思ったんだよね。大変なことばっかりだと思うけど、頑張りたい」



そう恥ずかしそうに呟く紫苑が、きらきらと輝いて見えた。



「芽衣は? どうするの?」


「まだ何も決まってなくて。でもクラスの皆も結構決まってる人多いみたいだから焦るなあって思って」


「そうだね。でも焦って適当なところに決めちゃうと後で絶対後悔するから、時間がかかってギリギリになっても焦らず考えた方がいいと思う。まずは進学か就職かを決めてそれだけ書いて提出してもいいんじゃない? 先生も白紙とか架空の大学名はダメって言ってたけど、それ以外は言ってなかったし」


「そっか……それもそうだね。うん。ちゃんと考えてみる。ありがとう紫苑」


「どういたしまして」



進路の話はそこで一旦終わり、昨日紫苑が撮ってくれた写真を二人で眺めながら笑いつつ、化学の授業のため理科室へ向かうわたしたち。


進路のことはまた今度考えよう。そう思って歩いていた時。



「あ」


「え?」



ふと、紫苑がめずらしく困ったような声を発したから、わたしも反射的にスマートフォンから顔を上げた。