翌日。


今日も朝から大雅に迷惑だと言われながらも登校したわたしは、



「じゃあプリント配るから後ろに回してー」



先生の声とともに回ってきたプリントを見てため息をこぼしていた。



「今配った進路希望調査票だけど、それを元に夏休み前に三者面談する予定だからくれぐれも適当に書かないように。まだ漠然としてる奴はとりあえず進学か就職かだけでも考えてくれ。もうお前らも二年なんだから、受験に向けて進路のことしっかり考えておけよー」


「うぇー、マジかよー」


「二年になったばっかなのにもう受験のことー?」


「受験なんてまだ考えたくなーい」



口々に不満を呟くクラスメイトたちの声を聞き流しながら、頬杖をついた。



……進路、かあ。どうしようかな。



この二年間、大雅のことしか考えていなかったわたしは、もちろんこの先の進路のことなんて全く考えていなかった。


特になりたい職業もない。これなら自信があるという特技も無い。人に誇れることがあるとすれば、周りの人に恵まれていることくらい。


大学?短期大学?専門学校?それとも、就職?
卒業後の進路なんて、まだまだ先の話だと思っていた。


だけど、冷静に考えたら高校生活も半分過ぎようとしている。


時間が経つのが早すぎて、めまいがしそうだ。