「……芽衣」
「ん?」
「中学の時も言ったけどさ。俺は、大雅のことも大切だけど、同じくらい芽衣のことも大切に思ってるから」
「……透くん」
「頼むから、無理だけはすんなよ。大雅のために、これ以上無理はすんな」
「わかってるよ。透くんにもたくさん心配かけちゃってるよね。ごめんね」
「謝ってほしくて芽衣に声かけたわけじゃないよ」
「……そっか。そうだよね。ありがとう透くん」
「ん」
暗い話はここで終わり、という風に透くんはすぐに話題を変えて、しばらくわたしたちは中学の頃の思い出話に花を咲かせた。
そのうち委員会が終わったらしく紫苑が教室に戻ってきて。透くんの姿を見つけて驚いたように駆け寄ってくる。
「あれ? 透だ」
「紫苑。お疲れ。……じゃあ紫苑も戻ってきたことだし、俺帰るわ。芽衣、話し相手になってくれてありがとな。また来るから」
「あ、うん。わたしもありがとう。楽しかった。じゃあね」
「おー。紫苑も、またな」
「うん。またね」
紫苑と一緒に透くんに手を振ると、足早に帰っていく。
入れ替わるように紫苑がわたしの隣の席に座って、顔を覗き込んできた。