「……あ」



これ、大雅の好きなやつだ。


自動販売機に目を向けると、大雅がいつも飲んでいる炭酸のジュースがあった。


わざわざ絆創膏を買いに行ってくれてるし、そろそろ喉も乾いただろう。


お礼も兼ねて大雅にあげようかな。


大雅の喜ぶ顔を想像しながらそのジュースを買い、遠目でレジに並んでいる大雅を見つける。


そのまま絆創膏を持って小走りで出てきた大雅に手を振った。



「大雅ー!」


「芽衣! 今行く!」



このとき、わたしが手を振らなければよかったのだろうか。


それとも、そもそもわたしも一緒にコンビニに行けばよかったのだろうか。


大雅はわたしに向かって手を降りながら走って進み、そして左右をちらりと見る。


大雅から見て右側から車が来ているのがわたしの目に入り大雅に視線を向けるものの、気付いていないのか停まっている車で見えないのか、大雅はそのまま道路に飛び出すように走ってきて。


それを見た瞬間、



「大雅! 危ない!」



せっかく買ったジュースを放り投げたわたしは、足の痛みなんて忘れて走り出していた。