「うわ、お前皮めくれてんじゃん。よくこれでここまで歩いてきたな……いつからだ?」


「……屋台に着いた頃から、少し」



痛かったら言えよって怒られる?でも、今日をすごく楽しみにしてたから、わたしの靴擦れなんかで台無しにしたくなかったのに。


そんなわたしの不安を吹き飛ばすように、



「そんな早くから……気付かなくてごめん。しんどかっただろ」



そう言って優しく足を持ったままわたしを見上げた大雅に、心臓を鷲掴みにされたように胸が高鳴った。


まさか謝られるなんて思わなくて、大雅は何も悪くないのに責任を感じたように悔しそうにしていた。


だから必死に



「う、ううん。わたしが我慢できると思ったから言わなかったの。せっかくの花火大会、楽しみにしてたから……」



と首を横に振る。


すると大雅はわたしの足を見ながら少し黙り込んだ後、辺りをきょろきょろと見回して何かを探し始めた。



「……大雅?」


「ちょっとあのコンビニで絆創膏買ってくるわ」


「え? いいよそんなの。家帰ってから貼るから」


「ダメ。それ以上そのまま歩いたらもっと悪化するだろ。今絆創膏貼るか、帰るまで俺におんぶされて移動するかどっちがいい?」


「そ、そんなのっ」



ここから高台に行って、さらに帰るまでずっとおんぶ……!?


無理無理、わたし重いしそんなことしたらせっかくの浴衣も着崩れるし、第一中学生にもなっておんぶなんて、そんなの恥ずかしすぎる……!