「そういえばわたし、いとこのお姉ちゃんから穴場スポット教えてもらったの! 町外れの高台らしいんだけど、あんまり知られてないから人も少ないし周りに高い建物も無いから綺麗に見えるんだって! ねぇ、明日そこから花火見ようよ!」


「マジ? すげぇじゃん。俺人混みあんま得意じゃないし、期待してていい?」


「うん! ちょっと家からは歩くんだけど、ばっちり場所教えてもらってるから任せて!」



二人で見上げた山からは、綺麗な夕陽が二人をじんわりと照らしていた。


この時は、大雅はわたしにちゃんと笑いかけてくれていたのに。


大雅はわたしの名前を呼んでくれていたのに。


わたしを見てくれたのに。


花火大会、今度こそ大雅と一緒に行きたかっただけなのに。


それなのに、どうして。










「────またお前かよ。ストーカーが。しつけぇんだよ!」



────どうして、こうなってしまったんだろう。