「──芽衣。俺と……俺と、付き合ってください」



あまりにも泣きすぎて、涙が枯れてしまうんじゃないかと思った。


幸せすぎて、一生分の運を使い果たしてしまったんじゃないかと思った。


胸がいっぱいで、苦しいくらいで。


でもそれは、嬉しい悲鳴で。



「ほんとうに……わたしでいいの?」


「芽衣がいい。芽衣じゃなきゃ嫌だ。無理。芽衣以外いらない」


「大雅っ……」


「……返事は?」


「っ……よろしく、お願いしますっ……」



返事をすると同時に、大雅がわたしの頬に手を添えて、すっと近寄ってくる。


気が付けば辺りには誰もいなくなっていて、わたしたち二人だけ。


初めてのキスは、月明かりが照らす満点の星空の下。


お互い号泣しながらの、幻想的で甘く優しいキスだった。