「……芽衣」


「……うん」


「これからは、俺に芽衣を守らせてくれ。だから、もうあんな無茶はすんな。俺ももうあんなに馬鹿なことはしない。もうあんな思いはしたくない。危険な目にあってほしくないんだ」


「……うん。わかってる」


「今度からは、俺が芽衣を守るから。でもそれは償いたいからじゃない。俺が一緒にいたいからだから」



真剣な声色に、感極まって言葉が出せずに何度も頷く。



「"俺が芽衣の目になる"なんて無責任なことは言えないし、俺じゃあなんの力にもなれないかもしれないけど。でも、手を繋ぐことはできるから。隣を一緒に歩くことはできるから。支えることはできると思うから」



嬉しくて、また涙があふれてしまいそうだ。



「二年も待たせてごめん。つらい想いさせてごめん。苦しめてごめん。これからは、ずっと一緒にいるから。俺が芽衣を笑顔にするから」


「大雅っ……」


「今年は無理だったけど、また来年、今度こそ一緒に花火見よう。また浴衣着てさ。ここは混みそうだから、近所の公園とかでもいい。二人でゆっくり見られるところで」


「うん、うんっ……」



少し離れた身体。肩に手を置かれ、ぼやけているのに大雅の視線が真っ直ぐわたしを捉えているのがなんとなくわかった。