「……これからは、俺が芽衣を支えたい」


「……え?」


「芽衣のこと、今度からは俺に守らせてほしい」



その言葉が、たまらなく嬉しかった。


やっぱりこれは夢だろうか。そう思うくらい嬉しかった。


本当はその言葉にすがってしまいたい。


ずっと一緒にいてって、言ってしまいたい。


でも、わたしはそれに頷いてはいけないだろう。



「……大丈夫だよ。償いとかそういうのはいらないから。

本当に、大雅が責任感じるようなことじゃないから、心配しないで。
わたしは大雅に思い出してもらって、こうしてまた名前を呼んでくれただけで十分嬉しいよ」



だって、大雅には奈子ちゃんっていう彼女さんがいるでしょう?


その言葉が喉元まで出かかったけど、改めてそれを言葉にするのはつらすぎてできなかった。



「それに、やっぱり謝らなきゃいけないのはわたしの方だよ。
大雅に思い出してもらいたいってことしか考えてなくて、たくさん大雅を苦しめた。
本当にごめんなさい。嫌われて当然だよなって思ってる」



大雅は優しすぎるんだ。


この二年間のことを考えれば、大雅がわたしを気にかける必要もないし、謝る必要もないし、なんならもう会話したくないレベルかもしれないのに。