「ご、ごめん。透くん、久しぶり」
自分の失礼な態度が情けないし申し訳ない。
「いいよいいよ。気にしないで。大雅のことが気になるのは当然だと思うし。紫苑は?」
「紫苑は今委員会行ってて。戻ってくるの待ってるの。透くんは?」
「俺は担任から呼び出しくらっちゃって、職員室行ってきたとこ。教室から荷物持ってきて帰ろうかと思ってたら芽衣が一人でいるところが見えたから」
「そっか……」
透くんはそのまま教室に入ってきて、わたしの隣の席に腰掛ける。
「なんか懐かしいな。こうやってちゃんと話すのも久しぶりだし、中二の頃思い出す」
「そうだね。わたしたち二年の時は隣の席だったもんね」
中学二年生のとき、わたしたち四人は同じクラスだった。
わたしの親友の紫苑と、大雅の親友の透くん。
それからわたしと大雅は幼馴染で。
元々知り合いだったこともあり、当たり前のように四人で一緒にいたのを覚えている。
くだらないことで笑って、すごく楽しかった。
三年になってから、高校に上がってからもクラスが離れてしまって疎遠になってしまったけれど、こうやって会って話せば昔の空気感がすぐに戻るのはとても嬉しい。
あのころに戻ったみたいで、すごく嬉しい。
ここに紫苑もいて、それで大雅もいてくれたらな、と思ってしまう自分がいた。