『俺は、大雅が苦しむところは見たくない。……だけど、同じくらい芽衣が苦しむところも見たくない』
『……透くん』
『前みたいに、仲の良かった二人に戻ってほしい。だけど、芽衣の話をしようとしただけで拒絶反応が出てる大雅に無理はさせたくない。
……悪い。俺もどうすることが正解なのか全然わからないんだ』
『……ううん、謝らないで。ありがとう透くん』
大雅を苦しめて、唯一の友達の紫苑や透くんをも悩ませて。
わたし、何やってるんだろう。
そう思いながらも、いつか思い出してくれるんじゃないかって、いつかまた大雅と一緒に笑い合えるんじゃないかって思ったら、そのわずかな可能性を信じたくて、やっぱり諦められなくて。
『大雅、おはよう』
どれだけ嫌われても、何度怒鳴られても。
朝の挨拶だけは、欠かさなかった。
……でも、それももう終わった。