「芽衣」
「ん?」
「お母さんは、芽衣がどんな選択をしたとしても、芽衣を全力でサポートするからね」
「……ありがとう」
「サボりじゃないのは知ってるから叱るつもりはないけど。最近早退が多いなあっていうのはお母さんも感じてた。保健室に行くほど何か悩みがあるならなんでも相談してね」
「うん」
「さ、今日はこのままファミレスでも行っちゃおうか?」
「晩ごはん、お父さんの分は?」
「そんなの、適当にスーパーでお惣菜買って行こ。たまには女二人ってのもいいでしょ?」
「うん。そうだねっ」
「あ、でもお父さんには内緒よ。バレたらお父さん、拗ねちゃうから」
お母さんとお父さんの話をしながらファミレスに向かい、ちょっと早めの晩ごはんを食べてから家に帰る。
"芽衣、面談どうだった?"
紫苑から来ていた連絡に
"とりあえず進学希望ってことで話してたんだけど、お母さんが途中で学校生活のこととか聞き始めるからもう本当嫌だったー"
と返す。
"ははっ、面談あるあるだよねー。子どもには子どもの世界があるんだからそっとしてほしいとか思っちゃう"
"本当だよね。でも、そうやって心配してもらえるのも当たり前じゃないんだよなって思っちゃった"
"そうだね。感謝しないとね"
その日は寝るまで、紫苑と他愛無いやり取りを繰り返していた。