別にお姉ちゃんのことを嫌いなわけじゃないけど、いつも比べられて生きてきたから勝手に避けているのもある。



「何言ってるのよ。こういう日こそ図書館に行って勉強しなさいよ。空の文化祭に行ってたって時間の無駄でしょ。偏差値低い高校の文化祭なんてたかが知れてるんだから」


「ちょっと、お母さん。そんな言い方ないでしょ…」



洗濯カゴを持ってリビングに入ってきたお母さんの冷ややかな視線から逃げるように目を逸らす。



「あ、そうだ。お母さんも一緒に行こ?お父さんは仕事で忙しいだろうから、空の写真撮って見せてあげようよ」


「嫌よ。お母さんだって家事で忙しいのよ。そんなことよりも掃除機かけたいから早く食べちゃって」



はあと大きなため息を近くでされ、思わずびくりと反応してしまう。



最初から来てくれるかもなんて期待していなかった。


だけど…。



「…パンケーキ、私も作ってるの。偏差値が低いからこそ、自由に色々できてすごく楽しいから。あの高校に入ったおかげで大切な友達もできたの。だから…馬鹿にする前に一回その目で見に来て」