チャオ! インコのウ●コだよ!

 何インコかは誰も把握していないがな。屋敷の誰ひとり興味が無いらしい。
 全く……検索もしてくれなかった。
 ああ、幸いにして、名前で虐められた事はないので、そちらの心配は無用だ。


 ちょいちょい出歩く事はあるが、大概部屋で過ごすワタシ。
 テレビは正直ツマラナイので、最近の友は専ら「タブレット」だ。
 私は、タブレットすら操ることが出来る。

 若が自分のお古をくれた。
 未だホーム画面に、得体の知れないエロ漫画雑誌が軒を連ねている。
 

「前世はラジオ?」と前話で口走ったが、実際は「人間」だったのかもしれない。
 人間の言語は何故か理解出来る。
 だが如何せん、思うようには喋れない。
 どうしても「カタコト」になってしまうのだ。





 今、どういう訳か「異世界モノ」のコミカライズに嵌まっている。電子書籍というヤツだ。
 爪の所為でタブレットの液晶画面が傷まみれ(関係ないが、『チ●コまみれ』は何故あんな旨いのか……下ネタではないぞ?)にならぬよう、指先が震えるくらい力を抜いて、優しくタップするよう心掛けている。

 かの主人公たちは大体、交通事故に遭って異世界へと飛ばされるらしい。
 成り行きからして、私には縁の薄い世界だ……と思う。
 よしんば転生――私はどうしても「てんしょう」と読んでしまう(『魔界転生』のイメージ)が――したとしても、所詮カモメはカモメ、ウ●コはウ●コであろう。

 その異世界モノを読んでいると、「匕首(あいくち)(つば)」なる文言が顕れた。
 嘘だと思うだろうが、本当の話だ。

 匕首とは、元々「鐔の無い短刀」だそうな。
 よって「匕首に鐔」とは、転じて「釣り合わない、相応しくないモノ」のたとえ、という事になるようだ。

 ……ふむ。
 さしずめ、「ジム通いの若に浜口京子ちゃん」といったトコロだろうか。違うのー?

 若と兄弟同然に育った私は、当然ながら彼の良縁を願ってやまない。
 京子ちゃんは大好きだが……。

 若の生き様からして、彼に「清楚なお嬢様系」は似合わない。相応しくない。
 京子ちゃんを「お嬢様系」と評することに文句があるなら、遠慮なく私に言うがよい。

「タヨーセー! タヨーセー!」

 ……うん。
 言ってみたかっただけだ。
 


 そういえば、

『アイ●ルに大●真央』(「アイ」しか合ってないが)

 割りと衝撃だったな、このCM。
 それこそ「相応しくない」気もしたのだが。
 いやそれより、「ひとりで出来た」とはにかむジ●コさんの方が……。
 あれは別の会社だったか?