レケが島に来てから三か月近くが経っている。
正確なところは分からない、だいたいということで、勘弁して欲しい。
現在の島の、皆の暮らしぶりを話しておこうと思う。

まずは、重大発表があります。

なんと、
遂に、
泳げる水風呂を造っちゃいました!

はい、拍手!拍手!
いやー、やりましたよ!
やってやりましたよ!

早速利用しましたが、素晴らしい解放感です。
いやー、造って良かった。

「これってプールでしょ?」
とノンが言ったので、後で驚かせてやりましたよ、ハハハ!
サウナマニアはプールとか言わないの!
本当にあいつは、サウナマニアが何たるかを分かってないな、まだまだだな。

泳げる水風呂の深さは一メートル五十センチ、横幅は五メートル、縦幅は十五メートルとナイスなスペックです。
水温は十八度前後。
最高です!

あと、屋台の変形判として、鉄板焼きの設備を作製した。
家の中では場所が限られる為、野外専用に屋台を改造して造った。
カウンター部分を五メートルの鉄板にし、鉄板の下には薪を並べる様に空間を造ってある。更に屋台の骨組みに引火しない様に鉄を使用して、受け皿を設置してある。
念の為、受け皿の上には砂を敷いてある。
これで、火事にはならないはず。
安全第一です。

まず最初に行ったのは、ステーキのコース料理。
前菜として、ミックスサラダを提供し、食している間に焼き野菜を作っていく、焼き野菜はズッキーニや、山芋、エリンギ、鶴紫、カボチャ、を鉄板で焼いて塩コショウを振る、そして軽く醤油をかける。
焼き上がったところで、各自の皿にとり分けていく。

ここで一度鉄板の油をふき取り、新しく油を引き治す。
その間に前もって仕込んでおいた。メルルとギルとエルのウェイター達が、調味料として、塩、山葵の乗った器を各自に配る。

それを尻目に俺は、ジャイアントブルの肉を焼いて行く、ある程度焼けたところで、フランベを行う、アルコールはトウモロコシから作ったウィスキーだ。この島で一番酒精が高いアルコールだ。
フランベの後に蓋をして、軽く蒸し焼きにする。

その脇でガーリックチップを作るのも忘れない。
程よく焼けたところで切り分けて各自の皿に置いて行く。

ここで一言。
「まずは塩からお召し上がりください」
したり顔の俺。

一度言ってみたかったんだよね、このセリフ。
その後は肉からでた油を利用して、ガーリックライスを作っていく。
ガーリックライスを、ヘラを駆使して作っていく。
あえてカチャンカチャンと音を鳴らす。
出来上がったところで各自に取り分けていく。

「本日はご利用頂きまして、ありがとうございました」
その声と共に味噌汁が運ばれてくる。

ノンとロンメルは、さすがにガーリックライスは味噌汁には混ぜていなかった。
良い判断だ。
これにて終了。

メルルとギル、エルが私もやりたいと、数日これが続いた。

その後、お好み焼きや焼きそばも作った。
また連日同じメニューが続いた。

更に鉄板を変え、今度はたこ焼きを行った。
これは各自で作る様にした。
相当にウケた。
一週間たこ焼きが続いた。
俺は三日目から飽きていた。
だが楽しそうにしているこいつらを見ていると、リクエストには応えたくなる。
結構俺は甘いのかもしれないな。
喜ばれるのは嬉しいものだ。

お好み焼きやたこ焼きは、実はソースは使っていない。
俺の好みだが、醤油マヨで食べている。
俺は俄然醤油派なのだ。
俺の好みを皆に押し付けて申し訳ないが、ソースは当分の間必要ないと考えている。
ちなみに焼きそばは塩焼きそばだ。

連日の鉄板料理となってしまったが、ちょっと刺激が強すぎたかな?
エンターテイメント性のある食事はこの世界には強力過ぎたようだ。



島の暮らしについての話に戻そう。
皆自分のやりたいことを見つけ、日々の生活を楽しんでいる様に見える。

誰よりも、いきいきしていると思われるのはレケだ。
日々を全力で駆けているように見える。
例のマグロが死んでからというもの、さらにやる気を出して、マグロの養殖に励んでいる。
今のところ、エサの配分で分かっているのは、トウモロコシ三割、大豆七割の配合が食いつきがよく、今後は肉の種類や配合を変えて、推移を見守るということらしい。
マグロの養殖は順調にいっていると思う。
それに読み書き計算も頑張って習得している。
勉強熱心でなによりだ。

そして、レケは漏れなく毎晩飲んだくれている。
あいつの酒好きは折紙付きだ。留まることを知らない。
毎朝誰かに起こされている。
一番起こしに行かされるのはゴンらしく、一度懲らしめようと、アイリスさんが起こしに行ったところ、レケも流石に反省していたらしい。
だが、翌日も反省が実らず、起きてこなかったようだ。

あれは治らんな。病気みたいなものだと受け止めよう。
とは言っても、仕事にかける情熱は凄く、周りの皆を感化しているぐらい激しいものだ。
実にいいことだと思う。

それに研究というところに目がいったのだろうか、ワインの作成も、一樽は俺の仕上げを無しに作っているとのこと。
部屋の隅に大事に寝かせてあるそうだ。
良い傾向だと思う。

こっそりと手を貸そうかとも考えたが、止めておいた。
何度も失敗と成功を繰り返して、学んでいって欲しい。
今のレケならば、失敗してもめげることはもうないだろう。

あと、休日にもマグロの様子を見にいっているようだ。
熱心なことは良い事だが、根を詰め過ぎないで欲しいとも思う。

『漁師の街ゴルゴラド』に買い付けに行く際には、レケに一声かけてから行くようにしている。
決まってレケは同行をし、ゴンズ様の様子を見に行っている。
買い付けは主に貝類やエビが多い、ロンメルとレケの漁で魚は足りているが、海老と貝は捕っていない。

少し話は脱線するが、買い付けに行った際に本屋を見つけた。
適当に見繕い、数十冊の本を購入した。
やはり、紙は貴重品のようで、中には一冊で金貨一枚もする物もあった。
今では本はリビングに保管してあり、誰でも気軽に本を読めるようにしてある。
ただし、借りパクしない様にと、読書はリビングでのみとなっている。

購入の目的は、読み書きがまだできない者達に役立つと考えたからだ、あとは娯楽に良いだろうと。
購入した本の一冊が、勇者の英雄譚の上巻だった様で、ギルに中巻と下巻をおねだりされている。
ギルはどうやら英雄とかに憧れてを抱いているようだ。
まだまだ子供だな。

話を戻そう。
レケは帰省すると、ゴンズ様に近況を報告しているようだ。
酒を作っていると話したら、無茶苦茶笑われたらしい。
出来上がったら持って来いと言われたようで、誇らしくもしていた。

給料が入ったら、ワインの材料をたくさん買いたいと言っていた。
頑張れ!レケ!

ゴンズ様には、石像の件を伝えて、お地蔵さんを五体預けておいた。
近いうちに街と街道筋に設置されることだろう。
教会の石像もゴンズ様立ち合いの下、改修させていただいた。
シスターが涙を流しながら感謝してくれた。
どういたしまして。

最後に遂に養殖マグロが目標としていた、体長二メートル五十センチに達した。
五郎さんに買い取って貰ったら、金貨五十枚になった。
金額がどれぐらいが妥当か分からない俺としては、高い金額に思えたが、五郎さんは充分に利益は確保できると言っていたので、深くは考えないようにした。
よく年始に行われるマグロの買い付けでは、何千万円もの値段がついたとテレビでやっているのを思いだしたが、あれはご祝儀の為、まったくもって参考にはならない。
まあ五郎さんが利益が出ると言うのだから、適正な金額なんだろう。
俺は何も言うまい。

島に帰還後レケに報告したら、無茶苦茶喜んでいた。
晩御飯の時に皆に報告し、臨時のボーナスを一人金貨二枚渡すことにした。
お祝いを兼ねて宴会へと突入し、レケが嬉しさのあまり号泣していた。
それを見て、他の皆ももらい泣きしていた。
俺はまた乗り遅れてしまい、一人苦笑いをしていた。
年を取ると涙脆くなるというが、俺の涙腺は堅めのようだ。
鉄板入りである。
ハハハ。

【鑑定】

名前:レケ
種族:白蛇Lv16
職業:島野 守の眷属
神力:0
体力:3503
魔力:1999
能力:土魔法Lv15 風魔法Lv16 石化魔法Lv3 人語理解Lv6 人化Lv5 人語発音Lv6



次にマークとランドの頑張りで寮が完成した。
俺が手を貸したのは、基礎と水道関係と、彼らの指示の下、木材の作成を行ったぐらいでしかない。
ほとんどの作業を二人が行ったといっても良いだろう。
ほんとに頼れる奴等だ。

寮は良い仕上がりで、寮に住んでいる皆からも、住み心地が良いと評判のようだ。
六人の部屋に加えて、水洗トイレ、キッチンや台所も完備している。お祝いになんちゃって冷蔵庫もプレゼントした。

「本当に至れり尽くせりです」
一同に感謝されてしまった。

福利厚生は大事です。お気になさらず。
より一層仕事に励んでくれることだろう。

伐採した木材だが、そのままでは良くないと、ちゃんと次木を行っている。
次木に神気を流すと、直ぐに根を張るから。上手くいっている。
自然破壊はよくないですからね。
でも本当は、アイリスさんに苦言を呈されたからなんだが、多くは語らないでおこう。
アイリスさんには逆らえません。

次の建設は遊技場を予定している。
小さな体育館といったイメージだ。
中では、スリーオンスリーが出来る広さと高さ、ビリヤード台の設置やダーツが出来るスペースと、ちょっとした寛げる空間が欲しいとだけ、伝えてある。

こちらは設計から二人に丸投げした。
二人でどうするこうすると、連日打ち合わせているようだ。

そういえば、マークの休日の過ごし方だが。
朝から風呂とサウナを満喫し、昼飯と共にビールを飲む、その後、昼寝などでゴロゴロし、夕方にはまた風呂とサウナを満喫する。晩飯にまたビールといった。スーパー銭湯で一日中ゴロゴロしているオッサンの様なことをしていた。いや、カプセルサウナでゴロゴロ・・・どっちでも一緒か。

だがその気持ちはよく分かる、というより痛いほどよくわかる。
特に昼から飲むビールは格別なんだよな、背徳感も相まって、最高に美味いんだよな、ああ、飲みたくなってきた。
俺もたまに同じ様なことをやっている。
うんうん。

ランドだが、バスケットボールに大ハマりしている。
暇さえあれば、バスケットボールを触っている。
ランド曰く
「初めて決めたダンクの爽快感が、俺を虜にしたんですよ」
とのことだった。

好きなことが出来るのはいいことだ。
あまりのハマりっぷりに、バスケットシューズを作ってやったら、大喜びされた。
家宝にするとまで言われたので、そんな事言わずにちゃんと使ってくれと念押ししておいた。

「なんか、ジャンプ力が増したような気がします」
とランドは言っていた。
うん、間違いなく気のせいだね。
今はどうしたらこの世界で、バスケットボールを広められるのか?
と真剣に考えているようだ。

スポーツを広めるのはいいことだ。
頑張れ!ランド!

『鑑定』

名前:マーク
種族:人間Lv9
職業:ガーディアン
神力:0
体力:1390
魔力:148
能力:パーフェクトウォールLV2 防御力倍増Lv1 鼓舞奮闘LV2

『鑑定』

名前:ランド
種族:獣人Lv10
職業:重戦士
神力:0
体力:1653
魔力:74
能力:咆哮Lv2 斧ぶんまわしLv2 土魔法LV1



メタンだが・・・
こいつの信仰心は行き過ぎていると思う。
正直手が付けられない。

畑作業中に何度も創造神様の石像の前を通る度に、祈りを捧げるので。畑作業の手が止まるだろうと、メタン専用の石像を掘ってやった。
そうしたら引くほどに喜ばれた、というか無茶苦茶泣かれた。

「私の創造神様、ああ、私の・・・」
気持ち悪いほど悦に浸っていた。

サイズは畑の石像の半分サイズなので、メタンの寝室に飾ってあるらしく、毎朝必ず磨いているようだ。
本人が言うには、毎朝一時間は祈りを捧げているらしい。

そういえば、一度こんなことがあった。
畑作業中に背後から悪寒を感じたので振り返ると、跪いたメタンが俺に祈りを捧げていた。
俺はドン引きしてしまった。多分かなり嫌な顔をしていたと思う。

その後、祈られることは無くなったが、あれは二度とやって欲しくない。
将来、創造神様の後任になったとしたら、在ることなんだろうが、今の俺にはとでもじゃないが、受け入れられない。
ああ、思い返すだけで悪寒がする。

でもメタンの信仰心が、この世界の神気不足に少しでも、役立っていることも事実なので、受け入れるしかないのだが・・・もう少し時間をください。

真面目な話として、ゴンの魔法研究は行き詰っているらしい。
メタンからは、このままでは打開策が無いため『魔法国メッサーラ』の『魔法学園』への留学を提案したと聞いている。

なんでも『魔法学園』では、広く魔法を極めたい者を募っているらしく、学園長は賢者とのことだった。
せっかくだから『メッサーラ』についていろいろ聞いてみたところ。
国家元首は賢者が勤めることが慣例らしく、またその賢者が国家の運営能力が無くても、その地位に就くことになっているらしい。

実際の国家運営は、大臣クラスの者達が行っているようで。
賢者の実情はお飾りらしい、だが賢者の魔法に関する知識や威力、仕える魔法の種類は多岐に渡る為、一目置かれていることに変わりはないようだ。

お飾りとはいっても、一応それなりの権力は有しているらしく、賢者の一言で国が動くこともあるらしい。

メタンは賢者と面識があるらしく、メタン曰く。
「彼の魔法は本物ですな」
ということだった。

何が本物なのかは俺には分からないが、まともな人物であることを祈るばかりだ。
後は、ゴンが留学をするのか否かは、本人が決めることなので、俺は特に何もする気は無い。
背中を押すようなことでも無いし、本人の意思に任せるだけだ。
決意が固まったら、相談にくるだろう。

『鑑定』

名前:メタン
種族:人間Lv10
職業:魔法士
神力:0
体力:899
魔力:603
能力:火魔法LV6 土魔法LV7 崇拝の魔力化LV6


メルルだが、今ではこの島の料理番と言っても過言では無いだろう。
最近では目新しい料理を作ることが無い限り、料理はメルルとギルとエルが担当している。
メルルも料理の楽しさに目覚めたらしく、料理は楽しく生きがいだ、と口にしていた。

本人がそう言うのだから、そうなのだろう。
俺は決して押し付けた訳では無い。
生きがい、いいじゃないか。

今ではギルとエルに的確に指示を出し、台所の番人となっている。
俺は料理番を手放せたので嬉しく思っている。

更にこれまで俺が行っていた、醤油や味噌、アルコール類の下ごしらえも行う様になっている。
俺は最後に仕上げを行うのみだ。
大変ありがたいです。
助かってます。

なによりそのお陰で、夕方にサウナに入る時間ができるようになった。
若干の寂しさもあるが、それよりもサウナに入れる時間帯が、広がったことの方がありがたい。
ああ、俺はサウナジャンキーなんだなと切に感じた。

料理ができ気前上手なメルルなら、いつでも嫁にいけるだろう。
俺にどうかって?
馬鹿いっちゃいけない、精神年齢定年の俺には娘にしか見えませんよ。

メルルの野菜ジュース、もとい、体力回復薬だが、結局のところ小型なんちゃって冷蔵庫に保管すると、八十日も保つことが判明した。

実際には七十日以内に使用することが望ましい為、使用に関する注意書きには消費期限は、小型なんちゃって冷蔵庫内保管の場合は七十日とすることにした。

早速五郎さんのところに持ち込んだが、残念ながら待ったがかかった。
流石にインパクトが強すぎると、ハンター協会の会長とかとも話し合いをさせて欲しいとのことだった。
良いお返事を期待しています。

『鑑定』

名前:メルル
種族:人間Lv11
職業:僧侶
神力:0
体力:783
魔力:601
能力:風魔法LV6 治癒魔法LV8 鎮魂歌LV2



ロンメルだが、漁と海苔の作成に従事してくれている。
会話にもそれとなく入ってきて、ボケとツッコミの両方をそつなくこなす。まさにムードメーカーだ。
島の暮らしにも満足らしく、よくギルをからかって遊んでいる。
いい加減大人気ないから辞めなさいっての。

休日は『漁師の街ゴルゴラド』に帰ることが多く、酒場に入り浸っているようだ。
島に帰った後には、いろんな噂話をよく披露してくれている。
中には眉唾ものもあるが、世界の情勢を知ることは必要なことなので、ありがたく思っている。
まあ、どうでもいい情報も結構多いのだが。それはそれで知っていたに越したことはない、と言ったところだろうか。

ロンメルなりに、島の皆のことを考えて動いてくれていることは、よく分かっている。
もしかしたら、こいつは漁や海苔作りをするよりも、新聞記者とかの方が向いているのかもしれないと思う。

ビリヤードの腕はまだまだといったところだな。
若いもんには負けませんよ。

『鑑定』

名前:ロンメル
種族:獣人Lv11
職業:斥候
神力:0
体力:1259
魔力:239
能力:ムードメーカーLV3 探索LV2 跳躍LV1



触れる必要はないのだが、一応アグネスについての話しておこう。
五郎さんの所との大口取引が始まり。
アグネス便を停止しようかとも考えたが、続けることにした。

コロンの街の野菜は、だいぶ良くなったらしいが、島の野菜には適わない。
まだまだ需要があるみたいだし、最初の取引先であることに変わりは無いから、今後も続けることにした。

相変わらずの態度で、島の皆からめんどくさがられている。
唯一丁寧に対応するのはメタンのみ。
メタンがいうには、天使は神様の使いです、敬うのは当然ですな。ですが、少々うざいです。
とメタンにまで、うざいと言われてしまっていた。

たまにノンから
「締めるゾ!」
と言われて反省はするが、少し経つとすぐに元に戻っている。

なかなか性格は変わりませんよね。
まぁアグネスは今後も変わらんだろう。



ノンは相変わらずのマイペースぶりだ。
たまにイラっとする時があるが、そういう時は、驚かせてイライラを解消させて貰っている。
ノンには悪いが、これが一番面白いし楽しい。

今では、森の狩りはほどんどノン一人で行っている。
戦力としては充分過ぎるぐらいだ。
ノンが言うには、狩れない獣は居ないとのことだった。
そして時々獣化して甘えてくる、甘えん坊さんは変わらないようだ。

休日は森に出かけることが多く、何をやっているのかはよく分からない。

前に森で小さなお友達が出来たと言っていたが、何のことだかさっぱりだ。
たぶん、小動物とでも仲良くなっているのだろう。
好きにすればいい。

相変わらず犬飯が大好物のようで、ロンメルまで一緒になって犬飯を食べている。
犬は犬飯が好きなようだ。
ゴンには毎回舌打ちされるようだが、飯ぐらい好きに喰わせろよ、とよく言っている。

『鑑定』

名前:ノン
種族:フェンリルLv21
職業:島野 守の眷属
神力:0
体力:4448
魔力:2985
能力:火魔法Lv19 風魔法Lv20 雷魔法Lv18 人語理解Lv8 人化Lv7 人語発音Lv7



アイリスさんは、今では島の野菜の全てを牛耳る支配者となっている。
水やりから、肥料の指示までそつなくこなしてくれている。
アイリスさんは、畑で野菜を育てることが大好きらしく、もっと育てたいと良くせがまれる。

考えてみれば、最初はノンと二人だったこともあり、家庭菜園規模のような畑だったが、人が増え販売まで初めて、十ヘクタールぐらいにはなっているかもしれない。
測ったことは無いし、成形には作れて無いので、よく分からないのだが。
今では広大だということだ。

ただ、これ以上増えるのは勘弁して欲しい。
管理ができないと思う。
まったくもって、人出が足りないのが現状だ。

島の皆にとって、アイリスさんは母親的な存在なんだと思う。
皆との接し方を観ているとそう感じる。

特にギルはそういう節が強い、よく今日は何があったであるとか、こんなことをしたとか話しをしている。
そんな時のアイリスさんは微笑を浮かべて、話を聞いている。
そういえばアイリスさんから、饅頭を作れないかとリクエストされ、小豆を栽培してみた。
そろそろ収穫が近いかもしれない。

『鑑定』

名前:アイリス
種族:世界樹の分身体Lv19
職業:島野 守の協力者
神力:0
体力:2497
魔力:4306
能力:土魔法LV23 治癒魔法Lv17 人語理解Lv9 人化Lv9 人語発音Lv8 聖霊召喚LV3


エルは相変わらず不思議ちゃんキャラで、何を考えているのかさっぱり分からない。

たまに変な子モードになって、変なことを言っては皆を笑わせている。
いやあれは、笑われているだな。
本人には何故笑われているのかの自覚はなさそうだ。

笑顔も素敵で、全力で歯茎を剥き出しにしている。
なんでだろうね?

最近のエルは、もっぱら料理に興味があるようで、メルルの指導の下、着実に腕を上げているとメルルが言っていた。
どうやらどう料理をしたら、人参が最も上手くなるのかを知りたいらしく、試行錯誤しているとのことだった。
なんのことらや・・・

ただ俺にはそうは映ってはいない、おそらくだが、ギルが料理をやりたがっているからだと思う。
エルは顔には出さないが、ギルの姉であるという自覚が強いと感じる、また飛行部隊としての絆もあるのだろう、ギルの面倒を見ているような感じなのではないかと考えている。
いいことだと思う。

それとなく寄り添う関係が心地いいのかもしれない。
ギルも良く「エル姉」と言っては、何かを一緒にやっていることが多い。

兄弟仲良くでいいじゃないか。
うんうん。

『鑑定』

名前:エル
種族:ペガサスLv18
職業:島野 守の眷属
神力:0
体力:2490
魔力:4301
能力:風魔法Lv20 浮遊魔法Lv18 氷魔法Lv19 雷魔法Lv16 
治癒魔法Lv12 人語理解Lv8 人化Lv8 人語発音Lv7



ギルは今では、蓄えれる神力の量も増えたので、一部の畑の神気やりをさせている。
まだ俺の様に神気を足から流すということは出来ないようだが、神気銃は撃てるようになったと言っていた。
たまに漁で神気銃を撃つらしい。

神気操作もレベル2になっていた。
その他の能力はまだまだ先と考えている。

まあ、ギルには魔法が使えるから特に急ぐ必要も無いだろう。
神様修業はゆっくりやっていこう。

そういえば、前にリズさんの教会に行った時に、テリー少年と打ち解けていた。
何があったかは知らないが、
「ギルの兄貴」
と慕われていた。

もしかして締めちゃった?
あと気が付いたらベビードラゴンからドラゴンキッズになっていた。
子供の成長は早いですね。

『鑑定』

名前:ギル
種族:ドラゴンキッズLv3
職業:島野 守の子供
神力:668
体力:4021
魔力:4029
能力:人語理解Lv7 浮遊魔法Lv6 火魔法Lv8 風魔法Lv8 土魔法LV6 人語発言Lv6 人化魔法Lv6
 神気操作LV2



ゴンはメタンからの報告道りで、行き詰った感がある。
留学のことは本人次第だ。

管理部門の責任者として頑張ってくれている。
生徒会長的な雰囲気は変わっておらず。
気真面目なところも健在だ。

最近知ったのだが、イチゴが好物らしい。
狐だから、今度油揚げでも作ってみようかな?いやおいなりさんかな?
安易過ぎるだろうか?

『鑑定』

名前:ゴン
種族:九尾の狐Lv18
職業:島野 守の眷属
神力:0
体力:2009
魔力:2932
能力:水魔法Lv20 土魔法Lv17 変化魔法Lv16 人語理解Lv8
人化Lv7 人語発音Lv7


ゴンが俺の部屋にメタンを伴ってやってきた。
どうやら決意が固まったようだ。

「主、お話しがあるのですが」

「おお、どうした」

「大変重要な相談です・・・」
神妙な表情のゴン。

「どうした?」
分かってはいるが、あえて振ってみた。

「私『メッサーラ』の『魔法学園』に留学したいです」

「そうか、良いぞ行ってこい」

「えっ!いいので?」

「ああ、好きにすればいいさ」

「そんな簡単に?」
俺があっさり認めたので疑問に思ったようだ。

「ああ、メタンから大体のことは聞いている、好きにやってごらん」

「本当にいいので?」

「もちろんだ。いつ言い出すのか待ってたぐらいだ」

「ありがとうございます!」

「ゴン、思いっきり行けよ」

「はい!」

「そこでゴン、一つだけお前に目標を与える」

「なんでしょうか?」

「友達を作れ、一人以上は必ずだ」

「友達ですか?」

「ああそうだ、お前の人生において、大事な存在になることは間違いない、いいな?」

「分かりました、頑張ります!」
こうしてゴンの留学が決定した。
一回り大きくなって帰ってくることを期待しよう。



俺のステータスはどうかって?
しょうがないな、見せたくはないのだが秘密で頼むよ。

『鑑定』

名前:島野 守
種族:人間
職業:神様見習いLv15
神気:計測不能
体力:2003
魔力:0
能力:加工L6 分離Lv6 神気操作Lv6 神気放出Lv5 合成Lv5 
熟成Lv5 身体強化Lv4 両替Lv1 行動予測Lv3 自然操作Lv5
結界Lv2 同調Lv2 変身Lv2 念話Lv2 探索Lv3 転移Lv3 
透明化Lv2 浮遊Lv3 鑑定妨害lv1 初心者パック
預金:3598万4356円

ええそうです。だいぶ儲かってます。
ちなみに島野商事の現在の経常利益は金貨675枚と銀貨54枚。
まっ黒字経営となってます。

バンザーイ!
バンザーイ!
バンザーイ!