次回作は『恋の伝道師マリたん』になることが正式決定し、役者達のオーディションが行われることになっていた。
主役のマリたん役はオリビアさんに決定している。
そりゃあそうだろう、だってどう見てもこの人しかいないでしょ?
原作のマリたんにそっくりなんだもの。
それに演じることに遣り甲斐を見出したオリビアさんは、演技に余念が無いのだ。
俺の替わりに演じた『島野一家のダンジョン冒険記』も好評だったからね。
今の彼女は音楽の神というよりも、演劇の神と言えるかもしれない。
それぐらいのめり込んでいた。

ギルは主演男優となる、ヒーロー役のオーディションに参加するか悩んでいたみたいだが、どうやら止めることにしたみたいだ。
うん、その方が良いと思うぞ。
君は既に主役を張ったんだし、次回作まで出演する必要はないんじゃないかな?
それに他の者達にもチャンスを与えないといけないでしょう?
だって千両役者の能力を使ったら、お前の独壇場になるのだから。
それはよく無いでしょう。

実は魔水晶に関しては、俺が持っている一個以外にはドラゴムの村に七個存在していた。
そして今は、貿易部門に魔水晶があれば買い付けを行う様に指示していた。
それも最優先事項として。
そうしたらあっさりと『シマーノ』の魔物達が数個持っていることが判明し、魔水晶の買取をおこなったのだった。
現在俺の手元には魔水晶は十個存在している。

その使い道はハッキリとしている。
俺はゼノンにお願いし、二個の魔水晶に『島野一家のダンジョン冒険記』を録画して貰った。
ゼノンは複写の能力を持っていなかったのだが、複写の魔法は簡単に取得したのだった。
ドラゴンの魔法のセンスは半端ない、俺の複写を見せただけで、魔法バージョンをあっさりと体得していたのだった。
その魔水晶を俺はサウナ島に持ち帰り、スーパー銭湯のサウナ室に改築を行い、魔水晶を設置し、サウナで映画が見られる様にしたのだった。
勿論女性風呂のサウナ室も同様の工事を行った。
これによりサウナ室で映画が見られると、更にスーパー銭湯は人気を博することになったのである。

今ではサウナ渋滞は当たり前のように起きている。
南半球でも映画の人気は半端なかった。
但し弊害もあった。
それは物語の先が気になって、入室時間が長くなり、サウナ室で倒れる者が続出したのだ。
当たり前の様に三十分近くサウナ室に籠る者が続出したのだった。
勘弁してくれよ・・・
だからサウナの時間配分は考えてくださいよって。
俺は何度も言ってますよね?
無理は禁物だって‼

しょうがないから何度も繰り返し放映されることと、サウナ室の入り過ぎ注意の張り紙を行うことになってしまった。
なんだかねえ?
気持ちは分からなくはないよ。
よくランキング形式のTV番組なんかがやっていると、思わず粘りたくなるからね。
それに大体第一位の発表はCM明けだしね。
あれムカつくんだよな、いいから早く教えろよ!って言いたくなるんだよね。
あとは野球の中継だな、このイニングが終わったら出ようと考えていると、だいたいファールで粘るんだよな。
もう打てなくてもいいから早く終わってくれよ!
って何度思ったことか・・・
やれやれだ。

しょうがないからサウナ島にも映画館を造ることになった。
マリアさんとオリビアさんが建ててくれと煩かったしね。
建設はマークに丸投げした。
マークは久しぶりの建設作業だと喜んでいた。
どうやらこいつも現場が抜けきらない質みたいだ。

後日談としてこの映画館は連日大賑わいとなり、特にカインさんが大嵌りしていたみたいだ。
十回以上はリピートしたらしい。
まあダンジョンの話だからね。

残った魔水晶は今後作製される映画用に取っておいてある。
その内の一個は完成したドラゴムの映画館で絶賛放映中である。
連日魔物達で映画館が大入りであった。
立ち見まで出る程の人気ぶりだ。

これによってドラゴムの繁栄は約束された。
そのお陰で、この先僅か半年で『シマーノ』への村興しの費用の返済が完済することになっていた。
その後も映画のインパクトは計り知れず、北半球に革命を起こすことになるのだが、それはまた別の話である。
数年後には『島野一家のダンジョン冒険記』は知らない者はいないぐらいの物語となっていたのだった。
これを喜んだのは何を隠そうカインさんだった。
その影響でダンジョンは連日大賑わいとなっていたのだった。



そういえば、俺は創造神様に連絡を取らなければいけない事を思い出していた。
否、忘れていたわけではないんだよ。
ごめんなさい・・・忘れていたね・・・
叱られそう・・・
まあいいか。
開き直っちゃおっと。
俺は『念話』で創造神様に話し掛ける。
確かもしもしでよかったはず。

「もしもし、創造神様ですか?」
直ぐに返答があった。

「守か?お主忘れておったじゃろう?連れないのう」
呆れた声で返事が返ってきた。

「すんません、取り込んでいまして・・・」

「まあよい、ゼノンに付き合って忙しそうにしておったのは知っておるからのう」

「そう言って貰えると助かります」
よかった・・・怒ってはいないみたいだ。
この人は怒らせると面倒臭そうだからね。

「それにしても守は面白いことを続々とこの世界に持ち込んでおるのう、関心するわい、ナハハハ!」
笑っていますがな・・・
ハハハ・・・

「それで、要件とは?」

「おお、それな」
それなって、相変わらず若者言葉を使いたがるんだなこの爺さん。

「・・・」

「お主、神界に来てみんか?」
はあ?何をいきなり。

「はあ、行っていいなら行きますが・・・」

「そうか、ではおいで」
ヒュン!
強制的に俺は神界に転移させられてしまった。
爺さんや、俺は軽く答えただけなんだが・・・
社交辞令に近いしいぐらいなのだが・・・
やれやれだ。



あれ?
前に来た神界は真っ白な空間だったが、これは一体・・・
俺の眼の前に荘厳な雰囲気のある大きな神殿があった。
存在感と重厚感が半端ない。
観る者を凜とさせる趣きがある。
思わず背筋が伸びる。
入口にある重厚な扉の前で創造神様が手を振っていた。
驚きも程々に、待たせては悪いと俺は転移で駆け寄った。

「前に来たところと随分違いますね」

「ああ、あれは神界でも果ての方じゃからな。ここは上級神以外は入ることが許可されておらん神殿じゃからのう」
ただの人間だった俺には程遠い場所だったって訳ね。

「そうですか・・・って俺は上級神じゃないですけどいいんですか?」

「何を言っておる、お主は上級神以上の能力を持っておるじゃろうが、その資格は充分にあるのじゃよ」

「はあ・・・」
俺って上級神以上なのか?解せんな。

「それに上級神以外は入ることが出来んというのは建前じゃから、そんなことはどうでもいいんじゃよ」

「そうですか、というより転移出来ないと来れないってことですかね?」

「お!気づいたか。やるのうお主」
それぐらい分かりますっての。
だって上級神は全員転移の能力を持っていたしね。
ゼノンは限定的だって話だったけど。
俺は創造神様に導かれるが儘に後を付いていった。



通されたのはまるで神話に出てくるエデンの園の様だった。
とはいっても俺の想像の中のエデンの園なんだけどね。
草木に囲まれた庭園には大きな噴水があり、所々に花が咲いている。
その様は色鮮やかだった。
爽やかな香りが鼻腔を突く。
幻想的とも感じる空間だった。
そして気分は不思議と落ち着いていた。
心が洗われるようだった。
ここにいるだけで神性を感じる様な、そんな庭園だった。
ずっとここに居たいとすら感じる。

創造神様に円形の大きなテーブルにある椅子に座る様に誘われた。
俺は遠慮も無く腰掛ける。
まるでそれが当たり前の様に感じたからだ。
堅そうな見た目の椅子だが、フィット感が心地よい。
俺の正面に創造神様が腰かける。

「守よ、どうじゃ儂らの庭園は?」
創造神様は自慢げに問いかけてきた。

「ここは不思議な場所です、まるで神話の世界ですね」

「ホホホ、神話か、あながち間違ってはおらんよ」

「といいますと?」

「世に出てくる神話というのは、大体儂らをモデルにしたものが多く存在するのじゃからな」

「なるほど」
それは分からなくも無い。

「人の世とは、尊敬と崇拝からなるものが多く存在し、一部の超克者達が、神の世界を知りえることが出来るのじゃからのう」

「超克者ですか?」

「そうじゃ、まあ詳しくは説明できんがのう」
ていうか面倒臭いだけだよね。
そうだった、この爺さんはそういう人だった。
ざっくり爺さんだった。

「守よ、ざっくり爺さんとはなんじゃ?」
また読心術かよ、いい加減止めてくれよな。
ここは注意しておこう。

「あのさあ、いい加減その読心術は止めた方がいいですよ、他人のプライバシーを侵害してますって」

「うっ!」
思いの外創造神様はダメージを受けているみたいだった。
ていうか、この人に物言いする人が居ないのかもな。
ここは攻め時だな。

「それに誰彼構わずそんなことを続けていると、いくら創造主だからって嫌われますよ」
この際だから、はっきり言ってやった。
更にダメージを受けたみたいだ。
創造神様は下を向いて反省している。
しめしめ・・・一本取ってやったぞ。

「じゃからかのう?最近娘達が儂に冷たいんじゃよ」

「娘達?」

「アースラやアクアマリン達じゃよ」
やっぱり血族だったんだな。
そんな気がしていたよ。

「ほら、嫌われているじゃないですか」
俺は追い打ちをかけてやった。

「儂、反省」
そんなどうでもいい会話をしていると、一人の女性が近づいてきた。
振り返ると俺はその女性から眼が離せなくなった。
絶世の美女とはこの人の事を指すのかと、口をあんぐりと空けてしまいそうだった。
白いドレスを着た女神が降臨していた。
否、この場合降臨はおかしいよね、ここ神界だもん。
小言は置いておいて、何ちゅう美貌だろう。
神の御業としかいい様がない。
俺は久しぶりに緊張を覚えるのを自覚した。
そして絶世の女神が口を開いた。

「あら?守じゃない」
俺の事を知っている?
まあそうだろうな、フレイズがよく下界を覗いていたといっていたからな。
それに上級神ともなれば、千里眼や地獄耳ぐらいは普通に使いこなしていそうだしね。
俺は立ち上がった。

「始めまして、島野守です。よろしくお願い致します!」
ビシッと敬語で反応してしまった。
だってこんな美人さんの前では世の男性は誰でも緊張してしまうでしょうよ。
これは本能であるに違いない。
多分DNAに擦り込まれているだろう。

「あら、そう堅くしなくてもいいのよ。私は時の神アイルですわ。アイルと読んで下さいな」
さらりと自己紹介を行っていた。

「いやいやいや、滅相も御座いません。そんな呼び捨てになんてできませんよ、せめてさんぐらいは付けさせてくださいよ」
俺も成長したものだな、少し前なら絶対に様付決定だったもんな。
これもゼノンのお陰か?

「そう、好きになさってください」

「守よ、実は儂の妻じゃよ」
どや顔で創造神様が言っていた。
なんかムカつくな、でもこんな美人の奥さんなら自慢したいのは頷ける。
アイルさんはそんな想像神様を抱擁する様に笑顔であった。

「あらあなた、飲み物も出さ無いなんて失礼じゃなくて?」

「おお!そうじゃったな」
惚気る様子の爺さんは何故かムカつく。
こんなことに紛らわされてはいけないな。
俺も半分は仙人なのだから。

「あ!飲み物なら俺が準備しますよ。何が飲みたいですか?大体何でもありますよ」
俺は『収納』に手を突っ込んだ。

「儂は日本酒じゃな」
日中から飲むんかい!
御大層な身分なことで。
まあ好きにしてくれ。

「そうですわね、私は紅茶を貰えるかしら」

「了解です」
俺は日本酒の入った徳利とお猪口を取り出して、創造神様に手渡した。
創造神様は嬉しそうに受け取っている。
そうとうお気に入りのようだ。
でも樽ごとはもうあげませんよ。
だって腹立つんだもん。
俺はアイルさんにティーカップを手渡し、紅茶を注ぐ。
アイルさんは紅茶の匂いを楽しんでから口を付ける。
その表情を見るに合格を頂けたみたいだ。
満足そうな笑顔をしていた。
自分にはアイスコーヒーにした。
飲み慣れたこれが一番しっくりくる。
各自飲み物を堪能したところで話をすることになった。
というより、俺は二人が話し出すのを待っていた。
満足出来たのか、満を持して創造神様が話し出す。

「守よ、お主の神様修業も佳境に入っておる。そこでそろそろ強力な能力を得て欲しいと考えておるんじゃよ」
強力な能力とは?
創造神様の強力はちょっと怖いんですけど・・・

「それは何の能力ですか?」
ここは聞かざるを得ないな。

「ここからは儂の愛妻に任せるとするかのう」
にやけながら創造神様は言っていた。
爺い、惚気けてるんじゃねえよ。
やっぱりムカつく。
俺も結婚した方がいいのだろうか?
こんなことでマウントを取られることが煩わしい。
でも俺の結婚相手って・・・誰なんだ?どうなんだろう?

「守、あなたには時間旅行の能力を習得して貰おうと思っているのよ」
ん?何だって?これは真面目に取り合わないといけないな。
相当な大事になりそうだ。

「時間旅行ですか?」

「ええ、この能力は私と旦那様しか使えない能力なのよ」
時間旅行って、その名の通りの能力なら過去や未来に旅行できるってことだよね。
マジか?そんな貴重な能力を俺が習得していいのか?
否、そんな消極的ではいけないな。
ここは積極的にならないと。
全力で取り組まないといけない。

「わかりました、よろしくお願いします」
俺は謙虚に頭を下げた。

「少々過酷になるかもしれないわよ」
アイルさんが心配そうに俺を見ていた。

「望むところです!」
此処は心強く迎え打とうと思う。

「守よ、お主の本気。見せて貰うとするかのう」
ていうか、そもそも手助けして貰っていいのか?
まあいいか、手を貸してくれるというのだから甘えてしまおう。
それに爺さんからの申し入れだ、何かしらの意味があるのだろうし、理由を聞いてもはぐらかされるに決まっている。
ここはありがたく好意を受け取っておこう。
時間旅行、獲得させていただきましょうかね。

「では場所を変えましょう」
アイルさんが指パッチンをすると俺達は『転移』した。

ここは一体何処だ?
何処かの建物の一室だろう、部屋の大きさはそれなりに大きい。

「ここはいったい・・・」
俺は思わず呟いていた。

「ここは修練場ですわよ」
そう言われてみるとそうとも見えるな。
けど道場の様に板敷でも無ければ、畳敷でも無い。
足元は石造りだった。
この上に投げ飛ばされたら痛いだろうな。
習得するのは時間旅行だからそんな荒事にはならないだろうけどね。
今度は想像神様が指パッチンを行うと、三脚の椅子が現れた。
肘掛けも無いよく見る木で出来た丸椅子だ。

「まずは椅子に掛けましょう」
俺は指示に従って椅子に腰かける。
創造神様とアイルさんも腰かける。

「では、始めましょうか」
そういうとアイルさんが、また指パッチンを行った。

とても不思議な現象だった。
指パッチンをしたアイルさんが一瞬にして立ち上がっていたのだった。
俺は妙な違和感を感じていた。
これは『転移』か?
否、違う。
そんな生易し現象ではない。
もしかしてこれは・・・

「もう一度よろしいでしょうか?」
ここは好意に甘えて催促してみた。
アイルさんはにっこりと笑顔で答える。

「ええ、いいわよ」
アイルさんは腰かけると、もう一度指パッチンを行う。
俺はそれに合わせて神気を身体に纏った。
またアイルさんが一瞬にして立ち上がっていた。
そして本能的に俺は感じていた。
先程感じた違和感よりも強く。

「これは・・・時間を止めたのでしょうか?」

「ほう、やはりお主は鋭いのう。関心するわい」

「ですわね、ものの二回でこの現象に気づくとは思いませんでしたわ」
二人は拍手をしていた。
少々照れるな。
俺ってセンスがあるみたいだね。
嬉しいじゃないか、ハハハ。

「お主、何を照れておる」

「いやー、素直に嬉しくてつい」

「あらま可愛い」
余計照れるじゃないですか、止めてくださいよ。
って声には出さないけどね。
さて、真面目にやろう。

「もう一度お願いします」

「いいわよ」
ここからが、大変だった。
この現象自体は理解できたが、それは頭で理解できただけであって、身体では全く感じることが出来なかったのだ。
アイルさんには申し訳ないが、もう百回近く能力を使用して貰っていた。

「くそう・・・」
口から零れ出ていた。
このまま無意味に何度もこの現象を行って貰っても意味が無い。
どうする?考えろ、否、考えなければならない。
時間が止まっていることは間違いない。
それを頭では理解している。
それは間違いない。
本能もそうだと強く主張している。
それを身体で感じなければいけない。
どうしたら身体で感じられる?
待てよ・・・これまで能力取得に時間を意識したことは・・・有る!
何度もあるじゃないか『転移』を行う際には俺は今を強く感じていた。
それに『転移』の能力を得た時には時間を強く意識して能力を得られたじゃないか。
ここにヒントがある気がする。
俺は演算の能力を無意識に使って、思考を加速していた。
ここまで一秒と経っていない。
そうだ、今を強く感じるんだ。
時計の針をイメージし、それを頭の片隅に置く。
そして今を強力に感じる、時の流れ、時の波動、時の存在を強く感じる。
俺は無意識に強い自己催眠状態に陥っていた。
自分とその他の全ての繋がりを身体で感じる。
そして耳に届く指パッチンの音。

俺は見えていた。
ゆっくりと椅子から立ち上がるアイルさんを、それを暇そうに眺める創造神の爺さんを横目に捕らえていた。

「そろそろかのう、どう思う?妻よ」

「どうですかね、先ほど深い催眠状態に入ったのは見て取れましたわよ」

「ほう、アプローチを変えてきたか、そうか守には催眠があったのう、あれは反則じゃわい。あいつはあれのお陰で恐ろしく進化スピードが速いからのう。まあ本人はいまいち分かってはないようじゃがのう」
時の止まった世界での二人の会話が聞こえていた。
俺はなんとか、アイルさんの動きを眼で追う事ができた。
だが、身体はピクリとも動かない。
くそう、停止世界を感じることは出来たが、ここで動けなければ意味が無い。
動け‼動け‼動け‼
・・・俺はシンジかっての・・・

「あれ?見えてる?」
アイルさんが俺の目線に気づいた。
はい!と言いたいが口は動かない。
眼でそうですよ!と訴えかけるのが精一杯だった。
どうやらその叫びは届いたらしい。

「ほう、この停止世界を捉えることができたようじゃな。まずは天晴じゃ。ナハハハ‼」
爺さんの声が響いてきた。

「全く・・・私の予想を次々と飛び越えてくるわね」
アイルさんは首を振っていた。
でもこれでは駄目だ。
見えると聞こえることだけでは意味が無い。
この停止世界で動けてやっと意味があると俺の本能が訴えかけてくる。
俺にはまだ、時間旅行の能力は遠いようだ。
くそう!
絶対に習得してやるぞ!
時間旅行!