そもそも、痛みは、何のためにあるのだろう。

転んで擦りむけば、次からは同じ無茶をしない。
体を損傷した時に、体を動かさないようにするため。

痛みがあるから、人は無茶をしない。

だから痛みは必要なんだ。



高校では、両親や教員に頼んでこの病気を隠すと決めた。

完全に隠すために、通っていた中学の人達が行かない高校に行くため、家からは少し遠い。
それでも、仕方がないことなんだ。


とは言っても、体育の授業や、理科の実験など、怪我をしかねないものには参加しないという条件付きだ。
それに、今でも通院している。


友達は、病気のことを知らないから不思議がっている。それが当たり前の反応だろう。
そろそろ誤魔化すのも限界そうだし、何か対策を打たなければいけない。



でもきっと、正直に病気のことを話したら、みんな離れていくに違いない。
病気を患っているというのに''普通''の生活が当たり前になって、今の生活が心地よい、失いたくない、と思ってしまう私は欲張りなのかもしれない。