千晴の家に来てから、一週間がたった。そんな時、甘雨から翠雨に電話が掛かってきた。甘雨は、スマホを持っていないので公衆電話からだ。
甘雨「翠雨、帰って来る？甘雨は翠雨と暮らしたい。ママとパパには、翠雨への態度を改めて貰う様に交渉するから。」
翠雨「甘雨、私だって甘雨と暮らしたい。けど、私の居場所は加納家ではない。」
甘雨「居場所は作るものだよ。私達で作ろう居場所を。」
翠雨「私には、加納家の他に居場所がある。如月家だよ。」
千晴の名前は出さなかった。何故なら、甘雨が翠雨の後を追って来る可能性があるからだ。
甘雨「そんなぁ。養子にでもなるの？そしたら、甘雨と翠雨は会えるの？」
翠雨「そう。養子になるの。甘雨と2ヶ月に一回ぐらいは会えるといいね。」
甘雨「嫌。もっと会おう。そうだ!私も如月に養子に入る。ね。良いでしょ。」
翠雨「甘雨。それはダメ。両親が何をするか分からない。甘雨が側にいなきゃ。バイバイ甘雨。」
ツゥーツゥー。その音は、姉妹を引き離す音の様に聞こえた。