〜五年後〜
私は、一八歳になった。高校も卒業し、親戚の援助を受け専門大学に通っている。最初は、働くつもりだったが親戚が大学に行けというものだから行くしかなかった。忙しい日々を送っているが、充実している。そんな時、電話が掛かって来た。妹だ。どうやら、母が会いたいと言っているらしい。最初に妹に言う所も昔と変わらない。私が父に似ているから、桜夜なんて居なければいいのにと軽々しく言うのだ。父と出会った時の景色をそのまま名前にしたのも気に食わない。桜がライトアップされた夜に出会ったから桜夜。安直すぎる。母は、私に会いたいらしい。謝っても許すつもりは無い。もう十年近く会っていないのだ。今更、親子でもするつもりか。結局、私は母に会わなかった。これの決断は正しかったのか。そもそも、正しい事は実在するのか。それぞれが見る、幻なのではないのか。
私は、一八歳になった。高校も卒業し、親戚の援助を受け専門大学に通っている。最初は、働くつもりだったが親戚が大学に行けというものだから行くしかなかった。忙しい日々を送っているが、充実している。そんな時、電話が掛かって来た。妹だ。どうやら、母が会いたいと言っているらしい。最初に妹に言う所も昔と変わらない。私が父に似ているから、桜夜なんて居なければいいのにと軽々しく言うのだ。父と出会った時の景色をそのまま名前にしたのも気に食わない。桜がライトアップされた夜に出会ったから桜夜。安直すぎる。母は、私に会いたいらしい。謝っても許すつもりは無い。もう十年近く会っていないのだ。今更、親子でもするつもりか。結局、私は母に会わなかった。これの決断は正しかったのか。そもそも、正しい事は実在するのか。それぞれが見る、幻なのではないのか。