二人は、卒業式に出ていた。最後の高校ヘの登校日。桜が散る中、二人は中庭にいた。出会って2年と数ヶ月、お互い本心は見せて来なかった。姫が口を開いて言った。昔、自分を庇って意地悪された奴がいたと。それから、人付き合いを辞めたとも。でも慶がしつこく関わってきたから、また人を信じられるるようになったと。感謝の気持ちを伝えられた。慶は泣いていた。男の子として育てられた慶にとっては、真っ直ぐ一人の女の子として見てくれる姫はかけがけのない存在になっていた。二人は、時間の許す限り出会った中庭にいた。
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