入院してからも僕と彼女はメッセージのやり取りを続けていた。
写真を送った。
僕の部屋、本棚、机、タンス。こんなの見たいのかって疑問だったけど、喜んでくれた。
言葉数の多い彼女は、初めの頃は 長い メッセージを送ってきたけれど、 だんだんと スタンプだけになってしまい、最後には 既読がつくだけになった。
でも、既読がつくだけで生存確認ができて、安心して眠ることができた。
しかし、既読すらつかなくなり、福笑は天国へ旅立ったのだ。

次の日、担任の先生が口を開いた。
「一学年先輩の河合福笑さんが亡くなりました。葬儀に学校からメッセージを届けようと思いますので、寄せ書きのご協力をしてください」
僕はメッセージを書かなかった。
彼女の葬儀に参加はしなかった。
できなかった。
受け止めることができなかったから。
葬儀に参加してしまえば、亡くなったという事実を自分の中で消化していかなければならない。
そうすれば関係性が変わってしまう気がして怖かった。