「...............はぁ、もういいよ、」



思い切って中に入ってみたはいいものの.........



やっぱり、あからさまに不機嫌な匠海くん。



「.........っ、今日は私から書くね、」



いつもは、匠海くんが率先して書いていたからか。



私から書き出すのは緊張するものの。



持ってきた、ピンクのボールペンを手に取って。



いつもの、ノートを手に取ると。



[今日は、咲鈴ちゃんとお弁当を食べた]



いつもよりも、手が震えるのを感じながら。



吉田咲鈴(よしださり)ちゃんとの、
〝楽しかったこと〟をノートに書いた。



普段の、不機嫌じゃない時の匠海くんなら。



私が書いたあとに、
ボールペンを置くと、すぐに書いてくれる。



だけど..............................



ここ最近、心ここに在らず状態なぐらい、
不機嫌な匠海くんはボールペンすら持ってくれない。