最後に会った日のことを思い出すと悔やんでしまう。



匠海くんへの気持ちが溢れ出そうだから。



〝好き〟って書かなかったのに。



今なら書けるよ、匠海くん.....................



「............っ、ねぇ、匠海くん、」



私は、涙でうるんだ瞳のまま、ピンクのボールペンで。



[匠海くんのことが、好きです]



匠海くんが、
〝白色のボールペン〟で書いた文章に返事をするようにそう書いた。



私が匠海くんの、〝好き〟って気持ちと。



〝白色のボールペン〟と〝特別ルール〟の真実を知ったのは。



もうすでに、匠海くんが亡くなったあとだった。



それが紛れもない真実だけど。



でもね、私には分かるよ。



〝白色のボールペン〟に隠された真実は、
──────全部、匠海くんの優しさだってこと。





fin.