『楽しいことや嬉しいことはピンク!
悲しいことや不安なことは水色で書くな!』



それは...........................



私、花染茉白(はなぞめましろ)が小学生の頃のこと。



当時は、背も低くていじめられていて。



1人ぼっちで、公園で泣いてばかりだった。



でも、そんな私が、
学校が少しでも楽しくなるように。



同い年で幼なじみの、
宮内匠海(みやうちたくみ)くんが考えてくれた。



そして、その日以来、
私が、笑顔でいられることも段々と増えて。



匠海くんとの報告を楽しみたいがために、
〝楽しいこと〟も〝嬉しいこと〟も。



それに、〝悲しいこと〟も〝不安なこと〟も。



全部、覚えていて、
匠海くんに報告したいって気持ちがあるからこそ。



そのルールみたいなのを、
2人で書き合うのが楽しくって。



気づけば、その言葉が、
──────匠海くんの口癖になった。