「っ! 待ってよぉー!」
私は泣きたい気分で叫んだ。
今日は用事があったから、早めに部活を終えて帰ってきた。
ちょっと思ったより遅くなって走っていたら、普段はちゃんと気をつけて歩いている道のへこみに足を取られちゃったんだ。
ギリギリ転ばずにすんだけれど、鞄の中身がいくつか転げ落ちちゃった。
リップとか、ハンカチとか。
あと、大事なお守りとか。
もう! って腹立たしく思いながらすぐにお守りを取ろうとしたんだけれど、視界の端から真っ黒なカラスがトコトコと歩いてきた。
いくらどこにでもいるカラスでも、こんなに近くに来ることなんてないからビックリしてたら……。
パクッと私の大事なお守りをくわえてしまった。
「へ? ちょ、返して!」
すぐに取り返そうとしたけれど、カラスはひょいと私の手を避けて飛び去ってしまう。
用事もあるけれど、お守りの方が大事だった私は迷わずカラスを追いかけた。
「はぁ、はぁ……確か、こっちに行ったよね?」
肩で息をしながら、神社の方を見る。
山に夕日が入ろうとしている景色を背後に、私は迷わず鳥居をくぐった。
私は泣きたい気分で叫んだ。
今日は用事があったから、早めに部活を終えて帰ってきた。
ちょっと思ったより遅くなって走っていたら、普段はちゃんと気をつけて歩いている道のへこみに足を取られちゃったんだ。
ギリギリ転ばずにすんだけれど、鞄の中身がいくつか転げ落ちちゃった。
リップとか、ハンカチとか。
あと、大事なお守りとか。
もう! って腹立たしく思いながらすぐにお守りを取ろうとしたんだけれど、視界の端から真っ黒なカラスがトコトコと歩いてきた。
いくらどこにでもいるカラスでも、こんなに近くに来ることなんてないからビックリしてたら……。
パクッと私の大事なお守りをくわえてしまった。
「へ? ちょ、返して!」
すぐに取り返そうとしたけれど、カラスはひょいと私の手を避けて飛び去ってしまう。
用事もあるけれど、お守りの方が大事だった私は迷わずカラスを追いかけた。
「はぁ、はぁ……確か、こっちに行ったよね?」
肩で息をしながら、神社の方を見る。
山に夕日が入ろうとしている景色を背後に、私は迷わず鳥居をくぐった。