俺ーー羽山(はやま) 駿(しゅん)の側に一人、変な(ヤツ)がいる……。

名前は高野(たかの) なずな。

大学二年生。

同じ大学の経済学部に通う同級生で講義の度に俺の隣に座る。

ボブショートの艷やかな漆黒の髪の毛。
くるっと、大きな二重の瞳。
小さな鼻と口。
少し幼さの残るあどけない笑顔。
俺とは頭一つ半分背の低い、華奢で小柄な身体。

人柄は誰に対しても明るく、人懐っこい性格。

容姿といい、性格といい……一見、モテそうだが……高野はモテない……。

モテないどころか、周りの学生達には『変な(ヤツ)』と見られ、一線ひかれている……。

何故って、それは……。

「駿くん好きですっ! 私と付き合って下さいっ‼」

告白(これ)……が、原因だったー……。