ここは王立騎士養成学園の敷地内にある広い庭。と云うか、どうみてもグラウンドだ。
 そこには約五十人ぐらいの男女が適当な順番で整列している。そうこの学園の生徒になるために集まった者たちだ。
 その者たちをみるように、数名の教師が台を挟み並んでいる。台の上では、学園長が話をしていた。
 そんな中ハルリアは、受験生たちの最後尾で退屈そうにしている。

 (まだか? 相変わらず話がなげえなぁ。隊長……いや、今は学園長か。でもまさか、この学園の学園長が……。まぁバレねぇとは思うが気を付けとくかぁ。後々……面倒だしな)

 そう思考を巡らせながらハルリアは聞いていた。

 (それにしても、なんだ? 周囲の視線が真面に刺さるんだが。それも、野郎ばかり……女だといいんだけどな。まぁ……この姿じゃ、しゃあねぇか)

 そう思うも気づかないフリをしている。

 そうこう考えていると学園長の話が終えた。
 その後ハルリアは、指定された教室に向かう。勿論、他の受験生もである。

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 ここは指定された教室。ペーパーテストを行う教室は五部屋に分けられた。
 ハルリオンは11番から20番と貼り紙がされている教室へ入る。
 そして19番と貼られた席に着いた。
 筆記用具などは学園側で用意している物を使うようである。
 机の上にはテスト用紙が裏返しになっていた。

 (さて、いよいよだ。どんな問題がだされる? 分かる問題ならいいんだが……)

 そう考えていると、この教室の担当の女性教師が開始と合図をする。
 その合図を聞き一斉にテスト用紙を捲り表にし書き始めた。
 ハルリオンも書き始める。

 (なるほど……まぁ、そういう事か。これなら……大丈夫だな)

 そう思い問題を解いていった。

 それから一時間おきに休憩をとりペーパーテストを三回やる。それが終えると女性のみ礼儀作法の試験会場へ向かった。
 勿論ハルリアも向かうが、気乗りしない様子でゆっくり歩いている。

 「あら、どうしたのです? そんなにゆっくりでは試験の時間に間に合いませんわよ」

 そう言い赤で長いクセ毛の髪を上の方で縛っている女性は、心配そうにハルリアをみる。

 「あっ、そうですわね。ちょっと、緊張しちゃって……」
 「そうですのね。大丈夫ですよ……そんなに難しいことはやらないはずって、先輩に聞いてますので」
 「そうなのですね。それなら……大丈夫かなぁ」

 そう言いハルリアは、ニコリと笑った。

 (か、可愛い……天使?)

 それをみたその女性は、ハルリアの笑顔をみて顔を赤らめる。

 「え、ええ……。あ、そうそう……そうでした。私は、セリアーナ・サフランです……よろしくね」

 それを聞きハルリアは一瞬、言葉に詰まった。

 (サフラン……まさかなぁ)

 そうその姓に聞き覚えがあったからである。

 「ワタシは、ハルリア・アルパスです。こちらこそ、よろしくお願いしますわね」

 そう言いハルリアは、会釈をした。

 「勿論よ。あっ、急ぎましょう……遅れてしまいますわ」

 セリアーナはそう言うとハルリアの手を引き試験会場へ向かう。

 (……サフランの姓は、珍しい。でも……そんなに少ない訳でもねぇしなぁ。それに……アイツが……。いや、ナイナイ。そうだ……ある訳ねぇ!)

 そう言い聞かせるもハルリアは、自分の手を引くセリアーナを不安な表情でみつめている。
 そして二人はその後、ギリギリ試験会場に間に合ったのだった。