ここはカンロギの町の倉庫内。この場には、ルミカ、メイミル、パルキア、ティオル、セリアーナ、マルルゼノファ、シャルルカーナ、八人が居て話をしている。

 「買い物は済んだみたいですね」
 「はい、ティオル様。必要な物は買って来ました。それで、このあと何をするのですか?」
 「ルミカ……それを今から話し合おうと思う」

 そうティオルが言うと七人は、コクッと頷いた。

 「勿論ハルリアさんを追うんですよね?」
 「マルル……そうなると敵国に潜入することになるわ」
 「そうね……セリアーナの言う通りよ。危険を冒してまで私たちが行くのは違うと思うの」

 不安そうな表情でシャルルカーナがそう言うとマルルゼノファは首を横に振る。

 「俺はハルリアさんが心配だ。どんな危険な目に遭っても探しだす」
 「待ってください。学生には荷が重すぎます」
 「ティオルの言う通りだ。もしマルル達に何かあったら責任はオレ達がとらないとならない」

 そう言いパルキアはマルルゼノファを睨んだ。

 「パルキア先生の言う通りよ。私たちが、ここに来たのは……それほど大変じゃないと思ったからだと思うわ」
 「セリアーナ……そうだとしてもハルリアさんが心配なんだ」
 「んー……じゃあ学園長に聞いてみたら?」

 そうメイミルに言われ七人は少し考える。

 「そうですね……確かにメイミルの言う通り。学園長に判断を仰ぎましょう」

 そうティオルが言うと七人は頷いた。
 それを確認するとティオルは便箋に書き込み始める。
 その間ルミカ達七人は話をしながら待機していた。
 ティオルは書き上げると便箋をダギル学園長に宛て魔法を使い送る。

 「これでいいですね。あとは待機するだけです」

 そう言われ七人は頷いた。
 その後八人は話をしながらダギル学園長の返事を待つことにする。

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 ここはベバルギの町の冒険者ギルド内。
 ハルキュアとカデリウスとピュアルは掲示板を念入りにみていた。

 「やっぱり討伐のような依頼はないな」
 「ええ、そうですね。諦めて採取か手伝いのどれかをしましょう」
 「ボクモ……ソウオモウヨ」

 そう言われハルキュアは溜息をついたあと首を縦に振る。

 「じゃあ、この依頼にするか」
 「鉱石の採取ですね。それなら洞窟に入るから魔物や魔獣が出る可能性はある」
 「ああ……まあ、外だっている。でも洞窟の中の方は、もっと強いヤツがゴロゴロいる」

 それを聞きピュアルは、ゾッとし顔が青ざめた。

 「ボク……コワイ」
 「大丈夫だ。戦い方も教えてやる。いや、ピュアルを護ってやるから心配するな」

 そう言うとハルキュアは、ニカッと笑みを浮かべる。

 (相変わらず女性に対して優しい言葉をかけますね。ですが、ピュアルは人間ではありません。種族は関係ないのか?)

 そう思いながらカデリウスは、ジト目でハルキュアをみた。

 「カデリウス、どうした? 顔が引きつってるようだが」
 「いえ……たいしたことはありません。それよりも早く依頼を受けましょうか」

 そうカデリウスに言われハルキュアとピュアルは頷き受付カウンターの方へと向かう。
 それをみてカデリウスは依頼書を持ち二人のあとを追った。