ここは倉庫内。この倉庫の中にはティオルと六名の敵がいる。
 倉庫の扉を閉められ数名の敵は困惑していた。
 そんな中ティオルは剣を敵に向けながら、ニヤリと笑みを浮かべている。

 「さて、誰が先に私の相手をしてくれるのでしょう?」

 そう言いティオルは素早く扉の方へ移動する。そう敵に逃げられないようにだ。
 それをみた敵はティオルに向かいくる者、奥へと逃げる者に分かれる。
 向かいくる敵に対しティオルは剣で武器を弾いていき話し始めた。

 「まずは貴方たちに聞きましょうか。貴方がたを、ここに転移させている者が誰か教えてくれませんか?」
 「……誰が話すもんか」
 「そうよ……馬鹿にしないでもらいたいわ。簡単に自白する訳ないでしょっ!」

 そう敵二人に言われティオルは、ニコニコと笑っている。

 「それは困りました。それでは世間話でもしましょうか?」
 「こんな時に何をいっている?」
 「なんなの……頭、大丈夫?」

 そう言い二人の敵は少しずつ後ろに下がっていく。

 「なぜ逃げるのですか? 私は、ただ話をしましょう……と言っているのですが」
 「なんで敵のお前と話をしなきゃいけない」
 「そうよ。そもそも話すことなんかないわ」

 ティオルはそう言われるも目を細め微笑んでいる。

 「そう言わず私の相手をしてください。そうじゃなくても話がしたくて、ウズウズしてるんですよ。そもそも私は戦うよりも話が好きなので」
 「そうか……なら戦わずに逃げればいいだろ」
 「その通りだわ。アタシだったらそうするけど」

 それを聞きティオルは首を傾げた。

 「逃げる……それはないですね。ここに沢山話し相手がいるのですから」
 「……言っている意味が理解できん。ここに居るヤツラは、お前なんかと話をしたいという者なんかいないぞ」
 「そうそう……そうだわ。そんなに話がしたいならハルリオンのことを話してもらおうかしら」

 そう言われティオルは、ニヤリと笑みを浮かべる。

 「なるほど……やはりハルリオン様のことを調べているのですね。ですが、なぜマールエメスはハルリオン様のことを調べてるのですか?」
 「グッ……余計なことを言うな!」
 「ごめんなさい。そうね……危なかったわ」

 それを聞きティオルは残念と思い、ガッカリした。
 とその時、ティオルの背後を狙い別の敵がナイフで斬りつけようとする。
 それに気づきティオルは素早く避け剣で敵の首を斬った。
 斬られた敵は血を流し地面に、バタッと倒れる。

 「あー殺してしまいました。一人話相手を減らしてしまい……どうしましょう?」

 それをみたティオルの前に居る敵二人の顔は青ざめていた。

 「どうしました? まさか怯えているのですか。そうですね……話をして頂ければ、こんなことしなくて済むのですよ」
 「ふ、ふざけるなっ!」
 「こ、こないでよ!」

 敵二人はティオルの異常さに怯え逃げようとするも体が動かない。

 「さあ……話して頂きましょうか」

 そして、その後ティオルは敵二人に対し散々質問攻めをしたのだった。