ここは魔術系の試験をする場所。その付近には、受付があった。
 ハルリアは、なんで受付をするんだと思いながら列に並んでいる。

 (んー、受験生の確認か? だが、それだけなら試験の時に番号札をみせればいい)

 そう思考を巡らせ自分の番を待っていた。
 そうこう考えていると自分の番がくる。
 そして番号札を受付の男性にみせた。

 「七番……ハルリア・アルパスさんですね」
 「はい、そうです」
 「では、この中から一つ選んでください」

 そう言い受付の男性は、ハルリアに種目が書かれた紙をみせる。
 そこには、召喚、対戦、的当て、治癒、補助、多種類の種目が書かれていた。

 (なるほど、な……それなら面白い方がいい)

 そう思いハルリアは、対戦を選びマルを付けた。

 「対戦ですね。では、ここに向かってください」

 そう言い受付の男性は、番号札と地図をハルリアに渡す。
 それを受け取るとハルリアは、番号札と地図をみながら歩き出した。

 (三か……さん……さんざん……散々、って! いや……何、考えてんだ。オレは……)

 ハルリアは馬鹿なことを考えてしまい自己嫌悪んに陥る。

 ★☆★☆★☆

 しばらく歩きハルリアは、対戦の試験をする場所まできた。

 (んー思ったよりも少ないな。十人か……)

 そう思いながらハルリアは、立っている男性教師に番号札をみせる。
 それを確認すると男性教師は、ハルリアを席へ案内した。
 ハルリアは長椅子に座ると目の前の対戦場所をみる。

 (まぁ、オレは然程……魔術系は得意じゃない。んー、だが手を抜いた方がいいよな)

 そう考えていると最初の対戦が始まった。

 (どの程度か、ここで確認しておいた方がいいな。さっきみたいに目立ちたくない)

 そうこうハルリアは思考を巡らせている。

 (ほう、思っていたより……こっちの方が面白そうだ)

 ハルリアは口角を上げ笑みを浮かべた。
 そうこう考えていると最初の組が終わる。
 勝ったのは二番だ。

 (さて、次はオレの番だな)

 そう思いハルリアは立ち上がる。

 ★☆★☆★☆

 ここはハルリアからみえない位置。そこには、なぜかダギル学園長とロイノビがいた。

 「なんとか間に合ったな」
 「学園長、そうですね。まさか、対戦を選ぶとは思いませんでした」
 「ああ、私もだ。だが……却って、この方がいいかもしれん」

 それを聞きロイノビは首を傾げる。

 「どういう事でしょうか?」
 「確証を得るためだ。まぁ……それは、あり得ないことだがな」
 「まだ、納得されておられないのですね。それで、これで何か分かると思われるのですか」

 そうロイノビに問われダギル学園長は頷いた。

 「ああ、魔術の類ならな……」

 それを聞きロイノビは、ダギル学園長の意図がみえず困惑する。
 そして二人はその後、話をしながらハルリアの試合をみていた。